コレステロール低下剤はいらない

 母のコレステロール低下剤の服用中止を思い立ったのは、94歳にもなって今更コレステロールを気にすることもないだろうという単純な考えからだった。だが、単純な考えだったため、かえって、本当に大丈夫かと少々心配になったので、インターネットで調べてみたところ、浜六郎著「コレステロールに薬はいらない!」という本があることを知った。そこで本屋へ行ってみたところ、この本の著者と同じ人が著わした「高血圧は薬で下げるな!」という本と一緒に並んでいたので、両方とも購入した。
 読み始めてすぐに、愕然とし怒りが込み上がってきた。最初の2ページを読んだだけで、コレステロール値の基準はとんでもないものであることが明確だったからだ。少々長いがその2ページ弱を以下に示す。

序章 コレステロール低下剤はいらない
■健康な人を病人に仕立てる基準値
 1987年以前には、治療が必要といわれるコレステロール植の基準がそれほど明確ではなく、おおむね240〜250以上が治療対象でした(コレステロール値の単位は”ミリグラム/デシリットル”ですが、これ以降は表記を省略します)。ところがその後、1987年に何の科学的根拠もなく「220以上」という数字が登場します。
 さらに97年には、日本動脈硬化学会が「220以上を高コレステロール血症とする」と正式発表しました。それ以来、コレステロール植220以上の人は「患者」となってしまったのです。
 これは非常に重大な問題です。なぜなら、医師は何の躊躇もなく自信を持って、この数字を少しでも超えていればコレステロール低下剤を処方できるようになったからです。
 しかし実際には、本書中の数々のデータを見ればお分かりいただけると思いますが、コレステロール値は220〜280の人がむしろ元気で長生きであり、この値こそ正常値なのです。
 その、最も長生きであるはずのコレステロール値の人に、「高脂血症」「高コレステロール血症」という診断名を与えて「病人」にしてしまい、恐怖心を植えつけてコレステロール低下剤を無理やり飲ませているのが現代の医療の実態です。
 しかもその低下剤は、さしあたっての目立つ副作用は少ないのですが、実はじわじわと体を蝕む毒薬です。特にがんで死ぬ人を増やし、早死にさせているということが、数々のデータから読み取れます。また、神経の障害やうつ病の多発なども心配されます。
 正常なコレステロール値の人を「病人」に仕立てて恐怖を与え、薬を売り込むやり方は「詐欺商法」「悪徳商法」そのものです。しかし、学会や国をあげて大掛かりにこれをやられると、多くの国民は納得させられてしまうのです。
 医師は、安易なコレステロール低下剤の処方を直ちに中止すべきですし、読者の方で今飲んでいる人は、直ちに飲むのをやめるようお勤めします。

 これを読むと、母は、よくもまあ、間違ったことを長年延々とやってきたことかと嘆息してしまう。母は、「卵は大好きだけども、コレステロールが上がるのであまり食べられない。」とよく嘆いていた。
 日本動脈硬化学会は、「220以下」という基準値は決めるも、その根拠を示していない。著者によると、日本人を対象とした適切な臨床試験データ、つまり科学的根拠は一切ないという。コレステロールが高いと動脈硬化になりやすいというならば、コレステロール値と動脈硬化に関する何らかのデータとの相関図ぐらいは示すべきであるが、そのようなものは一切示されていないようだ。根拠が示されていなければ、基準値の良否の判断はできない。そこで、著者は、あちこちの市や団体の検診などの追跡調査結果を分析して、コレステロール値が、どういう値が一番死亡危険度が低いかを検討し、そこから、理想のコレステロール値を求めている。本の中には、16件が記載されているが、その中の日本のもの7件を下に示す。

■理想のコレステロール値

1. 
NIPPON研究 対象者約1万人を14年間追跡(1995年、2003年発表)、理想のコレステロール値=240〜260

2. 
大阪府八尾市の調査 住民約1万人を‥‥11年間追跡(1997年)、理想のコレステロール240〜280

3. 
茨城県調査 約10万人を5年間追跡(2001年)、理想のコレステロール値り240以上

4. 
福井市老健法健診 3.7万人を5年間追跡(1997年)、理想のコレステロール値=男性251以上

5. 
J‐LIT コレステロール値220以上(平均270)の人を平均50下げて5年余り追跡(2000年12月)、理想のコレステロール値=200〜259

6. 
大阪府守口市の基本健康診査を受けた約1.6万人を5年間追跡(2003年)、理想のコレステロール値=男性:220〜240、女性:240〜260

7. 
神奈川県伊勢原市と福島県郡山市の男女合計約2.8万人を約5年間追跡した結果 (2005年)、理想のコレステロール値=男女とも220〜240

 この結果から、著者は、コレステロールは、高めの220〜280ぐらいがよく、220という基準は、誤りであり、正常な人を病人にしているという。
 茨城県の調査結果から下の図1を得ているが、コレステロールが高いと心筋梗塞がわずかに上昇しているだである。それよりも、コレステロールが低くなると総死亡が高くなり、ガン死亡も高くなっている。

 コレステロールは、生命維持に不可欠の物質であり、免疫細胞の膜にも必須で、コレステロールを下げると免疫活性が低下し、感染症に弱くなり、ガンにかかり易くなるという。心筋梗塞を心配して、ガンになって死んでしまうとは何ともいただけない話である。
 母は、風邪に強く、せいぜい7〜8年に1回ひく程度であった。80歳台の半ば頃、風邪をひき肺炎になり入院したことがある。その頃、母はコレステロール低下剤を服用していたので、220〜230程度だったと推定される。医者は、老人は風邪をひくと肺炎になる可能性が高いので注意するよう言っていた。母の面倒を見出してからは、風邪をうつさないよう注意していたが、2007年秋、妹が大阪から強烈な風邪を持ち込み母にうつしてしまった。しかし、肺炎にはならなかった。このときは、コレステロール低下剤は中止しており、この頃の健診データをみるとコレステロール値は277であった。
 要するに、コレステロール値が低いとき、風邪をひいたときは肺炎になったが、コレステロール値が高いときは、風邪をひても肺炎にはならなかったのである。この事実は、時間の隔たりがあり少々強引ではあるが、著者の見解を裏付けているとも言える。
 以下は、私の見解である。動脈硬化や心筋梗塞などについてデータを持っていないので、一般論である。
 上記の本に日本人のコレステロール分布が載っていたので、図2に示す。

 これを見るとほゞ正規分布していことがわかる。これは、何ら異常を示すものではなく、自然の摂理を表しているといえる。この分布の中心より少し上の220のところに線を引き、これ以上は「高コレステロール血症」と病人扱いするのは、間違った設定であり、自然への冒涜、神への冒涜ともいえる。

図3 二山のコレステロール分布
 もし、コレステロール分布が、図3のように二山になっていて、山の間に線を引くなら納得できる。コレステロールが二山ではなくほゞ正規分布しているということは、逆にコレステロールは動脈硬化などの原因ではないことを物語っている。原因は、別にある。
 それでは、何故コレステロールが動脈硬化の犯人にされているのだろか。インターネットを調べてもよくわからい。動脈硬化のある人の動脈にコレステロールが沈着しているので、コレステロール値が高いほど沈着すると単純に考えているからだろう。コレステロールが沈着するのは、沈着する原因があるからであって、コレステロール値が高いことを原因とするのは間違っている。コレステロール低下剤を服用する必要は更々ない。
 コレステロール低下剤の服用は、身体が要求する量のコレステロールを肝臓で作ろうとしているのを無理矢理抑制するので、これは身体にとって大きなストレスである。このストレスが新たな病気を引き起こすことになる。安保徹教授の「病気の原因はストレスである」という言葉を思い出すと共に「医療が病いをつくる」という著書を思い出した。
 冒頭の本の中でコレステロールの主な働きは、@全身の細胞の細胞膜や細胞内の膜構造物の材料となること(特に脳や神経細胞にはコレステロールが多い)、A男性ホルモンや女性ホルモン、抗ストレスホルモンなどの材料となること、B胆汁酸の材料となること、の3つだと記してあったが、@が特に気になった。
 母は、90歳頃、左目の視神経静脈破裂が発生し、数年後、右目の視神経静脈破裂が発生したが、この原因は、コレステロール低下剤でコレステロールを下げたためではないかと考えらなくもない。母は、コレステロール低下剤の犠牲者かもしれない。
(2008.08.15) 

【追 記】
 よく調べてみたら、日本動脈硬化学会は、2007.04.25、診断基準を変更していた。それを下に示す。

脂質異常症の診断基準


高LDLコレステロール血症
LDLコレステロール値 140mg/dL以上

低HDLコレステロール血症
HDLコレステロール値  40mg/dL未満

高トリグリセライド血症
中性油脂       150mg/dL以上

 総コレステロールが除外されたのは、HDL が高いため総コレステロールが高くなっている人を高コレステロール血症とするのは、よくないと考えたようである。
 私は、コレステロールは、動脈硬化の原因ではないと考えているので、上記の数値には興味がない。
 数日前、高校の友人から借用したアメリカのカリフォルニア大学名誉教授ゲルハート・シュラウザー著の「ミネラル革命」を読み、また、添付のCD(ジョエル・ワラック博士の「死んだ医者は嘘をつかない」日本語ふきかえ版)を聞いた。
 CDの中でワラック博士は、コレステロールが高くても何事も起こらないと言っていた。98%は生の肉や魚を食べているエスキモーのコレステロールは、250〜350もあるけれども心臓病の人はいない、心臓病などは、ミネラルの不足が原因であると。
(2008.09.17) 

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