動脈硬化の原因

 平成20年12月25日の産経新聞「正論」欄に新渡戸文化学園短期大学学長の中原英臣氏の「コレステロールは悪玉ではない」という小論が載っていた。この中に、『心筋梗塞や脳梗塞の引き金となる動脈硬化の真犯人はコレステロールや悪玉コレステロールそのものではなく、悪玉コレステロールが活性酸素によって酸化されることでできる酸化変性LDLだったのだ。
 こうしたことから心筋梗塞や脳梗塞の予防には、悪玉コレステロールの酸化を防ぐことが重要ということがわかる。そこで登場するのが悪玉コレステロールの酸化を抑える働きを持つ抗酸化物質である。赤ワインを飲むフランス人が心筋梗塞になりにくいのは、ポリフェノールという抗酸化物質が赤ワインに含まれていたからである。
 抗酸化物質が含まれている野菜を1日350グラム以上摂取することも有効である。』とあった。
(注) 日本動脈硬化学会は、2007.04.25、診断基準を変更している。総コレステロール値を廃止し、LDLコレステロール値を140mg/dL未満、HDLコレステロール値は40mg/dL以上、中性油脂は150mg/dL未満としている。
 この新聞記事は、診断基準変更前の総コレステロール値について論じているので、著者は、診断基準変更を知らないで記したようだ。「特定健診」には、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性油脂の基準値が入っている。

 私は、「コレステロール低下剤はいらない」の中で、コレステロールの分布形状から、コレステロールは、動脈硬化の原因ではなく、原因は別にあると述べた。中原氏の文は、これを裏付けるものである。コレステロールが動脈硬化の原因でなければ、低下剤でコレステロールを下げる必要はない。というより、コレステロールを下げると免疫力が低下するので、ガンや感染症に罹りやすくなりむしろ危険であるから下げるべきではないと言える。
 新潟大学の安保徹教授によれば、白血球は、主として顆粒球とリンパ球から成り、その比率は、福田稔医師の調査結果から健康な人は顆粒球54%〜60%、リンパ球 35〜41%の間に多くの人が入っているという。人にストレスが加わると交感神経優位となり顆粒球が増え、リンパ球が減少する。顆粒球は、3日程度しか生存しないが、その一生を終えるとき、粘膜で活性酸素を放出するという。よって、顆粒球が多いほど、活性酸素の発生も多くなる。
 活性酸素を除去するには、抗酸化物質が必要であり、赤ワインや野菜の摂取が記載されているが、水素も典型的な抗酸化物質である。水素が、活性酸素を還元すれば、水となるので全く安全である。よって、水素水を十分な量飲んでいれば、心筋梗塞や脳梗塞にはならない考えられる。

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