アルコールを添加した本醸造酒は胃に悪い


 清酒には、大きく分けて醸造用アルコールを添加した酒(本醸造酒と言うようだが、わかり易くするためにアルコールを添加しているので、以下これをアルテン酒と言う。)と醸造用アルコールを添加しないで米だけで作った純米酒がある。
 私は、2006年の春からおいしいお酒は、どんなもがあるだろうかと日本酒を学び始めた。学び始めに当たって、醸造用アルコールを添加した酒は、正統な日本酒ではないと判断し、対象を純米酒だけに絞った。そのため、購入した日本酒は、ほゞ100%純米酒だった。ただし、純米酒だけを飲んでいたわけではなく、貰った日本酒は、大体アルテン酒なので、ときどき、アルテン酒を飲んでいた。アルテン酒は、口内や喉に独特な刺激があるので添加アルコールによる刺激だなと感じていた。
 通常、夕方5時頃になると、酒が欲しくなり缶ビールまたはお湯割り焼酎を飲み、6〜7時の夕食時には純米酒1合を飲んでいた。
 2012年1月に720CCの清酒3本セットを貰ったが、いずれもアルテン酒で、中の1本は、原酒でアルコール濃度は、19〜20度であった。そこで5時の飲酒は、こちらに切り換え2本を空け、最後は原酒になった。量は、1回約半合程度である。
 原酒を7割程度空けたところで、夜中の3時頃、胃が重苦しく軽く痛みを感じ目が覚めた。この痛みは、空腹になると発生し、水を飲むと治まったので、胃潰瘍の可能性があると感じた。原因は、わからなかったが、原酒を飲み干してお湯割り焼酎に代わってからは、胃の重苦しさは、軽減したので、原因は、原酒だろうと推定した。
 原酒を飲み干してから1週間後、2月14日、松江へ行く途中、大阪のホテルで2泊したが、コンビニでアルテン酒を購入して、食前に1合、食後に1合飲んだところ、夜中に胃が重苦しくなり痛みを感じた。便を見たところかなり黒ずんでおり、多少出血してるなと感じた。その後、母の100歳の祝いで酒を飲んだが、アルテン酒は避けワインか純米酒にした。胃の重苦しさは、完全には治らないので、18日から酒を断ったが、治りそうにないので、とうとう28日に内科医院へ行った。内科医院で薬をもらい、後日胃カメラを飲むことになった。
 胃治療の状況は、後日掲載つもりだが、なぜ、アルテン酒が悪いか考えてみた。一番悪いのは、空き腹に飲んだことであるが、アルテン酒は、アルコールが完全に溶けていないで、ある大きさのクラスターで存在しているため、胃壁を刺激しびらんさせたと考えられる。以下これについて記述する。
 純米酒とアルテン酒を比較すると下図のようになる。

項目・説明
純米酒
アルテン酒
醸造完了
オレンジ丸は、発酵で生成したアルコールで水に溶けた状態を示す(原料は非表示)。
アルコール添加
オレンジ色の不定形輪が添加アルコール、アルコールは、完全に水の溶けないでかなり大きなクラスターを形成していると考えられる。原酒はこの状態である。
通常の酒
水を添加して、アルコール濃度を15〜16度に調整する。
青色の不定形輪は、添加水のクラスターを表す。

 発酵で生成したアルコールは、分子単独で存在しているのか、あるいはある程度のクラスターを形成しているのかわからないが、クラスターを形成していても非常に小さいと考えられるので、オレンジ丸で表示した。純米酒は、醪(もろみ)を濾した後、水を添加してアルコール度を調整するが、水は、完全には混合されないで、ある程度のクラスターを形成していると考えられる。できたてのお酒は、新酒として高い値で売り出されるが、新酒は、水っぽくておいしいとは思わない。水っぽいのは、水が完全に混合されないでクラスターとして存在しているためだと考えると理解できる。
 アルテン酒は、醪の状態のときアルコールを添加する。アルコール添加の目的は、酒屋に言わせれば、醪の香りや旨味成分を添加アルコールで取り込むという。添加アルコールは、醪と完全に混合するのではなく、かなり大きなクラスターとして存在していると考えられる。それは、飲んだ時、独特の刺激があることからの推論である。
 アルテン酒も水で薄めてアルコール度を調整するが、この水でアルコールのクラスターは、少し小さくなるのではないかと考えられる。
 以上から純米酒は、アルコールのクラスターが小さいので、胃への刺激は、小さい。
 一方、アルテン酒の原酒は、アルコールのクラスターが大きいので、強烈に胃壁を刺激する。水で薄めたアルテン酒は、多少クラスターは、小さくなっていてもやはり胃を刺激すると考えれる。
 よって、胃を刺激するアルテン酒は、飲まない方がよい。どうしても飲むならば、空き腹ではなく、食物を十分摂っているときに飲むことである。(2012/03/01)

追 記
 2月28日に内科医へ行ったところ、胃潰瘍の可能性があるというので、胃酸の分泌を強力に抑える薬「オメプラール錠20」と胃の粘膜を修復する薬「ムコスタ錠100」が2週間分処方され、後日胃カメラを飲むことになった。
 3月10日、胃カメラを飲んだが、10年以上前に飲んだときより管が小さくなっており技術の進歩に驚かされた。結果は、十二指腸潰瘍であった。薬は、更に胃酸の中和や胃酸の分泌を抑える「メサフィリン配合錠」が追加され、二週間分が処方された。医者は、薬は最低6週間飲む必要があると言っていたが、薬を飲み続けることに強い抵抗を感じるため4週間飲んだところで医者に相談なく終了とした。
 当初、治りを早くするため飲酒を絶ったが、次の日から便秘となり1週間経っても便通がないので下剤を飲む羽目になった。酒を絶って下剤を飲むのというのは、面白くないので夕食時に純米酒1合を復活した。すると便秘は解消、どうやら酒を絶つことができない体質になっているようだ。(2012/04/04)