ゴルフスイングを見直す

このページは、2016/9 に完成していたが、スコアアップの実績が出ないので、アップロードを見合わせていた。ところが、2017/6/16 の62会ゴルフでグロス90で優勝したので、アップロードすることにした。2017/6/21

1.ゴルフ歴

私は、32歳のとき、会社の上長に勧めらてゴルフを始めた。当初は、ゴルフ週刊誌などを見ながら練習場で週2回程度練習した。在職中は、1、2回/月程度のプレーであった。50歳の頃、日立ゴルフクラブが平日会員権を売り出したので、退職後平日に安くプレーする目的で購入した。会員になったので、少々インチキであるが成績の良いときのスコアを提出し16のHDCPをもらった。
 会社を辞めた後、歳をとるに従って飛距離は落ち、スコアは悪くなっていった。練習場へかよってもさっぱりよくならなかった。特にアイアンがダメで、10回打ってまともに当たるのは、1、2回程度であった。しようがないので、23°、25°のユーティリティを購入し、できるだけアイアンは、使わないようにしていた。しかし、通常の練習ではさっぱり改善しないので、少々金が掛かるがDVDを購入して練習してみることにした。以下に購入したDVDについて、簡単に記しておく。

小原大二郎氏の「7日間ゴルフ上達法」
このDVDは、小さい振りから大きい振りに段階的に練習するようになっているが、理想的なトップと理想的なフイニッシュを説明し、これが実現できるようせっせと練習するようになっていた。やってみたが、若い人ならいざ知らず、70歳を越した老人に成果は期待できないのでこのDVDの実行はやめた。
森本光洋氏の「リズムシンクロ打法」
このDVDは、力はなくてもシャフトのしなりで飛ばすというので購入したが、中身は、お粗末で参考になるところは何もなかった。最低のDVDだった。
小池幸二氏の「新左一軸ゴルフ上達プログラム」
このDVDは、オーストラリアのオージー・モアの理論を取り入れたものであるというので購入した。解説は、なるほど、なるほどというところがあったが、実行してみると飛距離が出ないのである。曲げないために右腕を脇から離さないのである。これでは飛距離は出ないのは当然である。そもそもオージー・モアのスイングは、右脇は離れている。このようなことから、実行しても意味なしと結論した。
吉本巧氏の「ドライバー基礎ゴルフ上達術」PDF
これは、DVDではなくPDFファイルで安かったので購入した。ダウンスイングのスタートは、左肩からと特異な説明があったので、適用してみたが、スイングは改善できなかった。

いずれのDVDもPDFもさっぱり役に立たなかった。
 そうこうしているうちに、2016/1/15頃、ネットで片山晃氏の「右手のゴルフ」を知った。これには、大きな衝撃を受けた。今までのゴルフの説明とは、まったく異なっていたが、説明は、実にリーゾナブルであったからである。注目した言葉を挙げると「クラブは、縦に振れ」「体を回しても飛ばない」「腰を切ったり、肩を回すことは考えるな」「スイングは、90度開いたフェースを180度閉じることである」などなどである。

 「クラブは縦に振れ」というのは、初めてではなくネットの動画で見たことがあったが、具体的な振り方がわからなかったので、練習場で実行してみたことはなかった。下にこれを紹介しておく。

  今井純太郎氏の「トップポジションからのクラブの落とし方
  森 守洋 氏の「インパクトイメージは突く

 一方、片山晃氏の説明を下に示す。

  片山晃氏の「間違いシリーズ(切り返し)
  片山晃氏の「手は横に振らずに縦に振る

 片山晃氏の動画を見たあと、すぐに確認したくなったので、練習場で7番アイアンを使ってトップからの切り返しのとき、側面真下に落として振ってみた。すると1球目、2球目は、当たりが悪かったが、何と驚いたことに、3球目からボールは真っ直ぐきれいに飛び出した。何回打ってもほゞ同じだ。これには驚いた。今までアイアンは、ほとんどよい当たりはしなかったが、この原因は、クラブを横振りしていたためと理解した。
 片山晃氏のゴルフは、非常にシンプルである。というか、いままで見聞きしてきたゴルフ理論ができもしないこと事細かく解説しているだけであると感じた。特に片山晃氏は、右手を使うことを強く主張している。利き腕でない左腕を使うというは、よほど練習しないとできないという。

2.ゴルフスイングの教え方

 直径10cm以下のボールを扱う球技には、ゴルフを除くと、野球、ソフトボール、テニス、卓球などがあるが、いずれも動いているボールを腕と手首を使って打っている。主体は、右手である。一方、ゴルフは、ボールは静止している。この静止してるのが曲者である。世の中のほとんどの解説書などは、トッププロのスイングを検討しそのように身体を動かせば、よいボールが打てるという考え方である。そもそもゴルフスイングは、ボールを打つことであるが、ボールを打つことに主眼がなく身体をトッププロのように動かせばナイスショットができるという解説になっている。「右手は使わないで左手を使え」とか「下半身リードで振れ」とか「体重移動をせよ」とか「腰を切り肩を回せ」とか「大きなフォロースルーをとれ」とか「理想的なフイニッシュになることを意識してスイングせよ」とか書き出せば枚挙に暇がない。これらのことは本当に正しいだろうか。私は、片山晃氏のゴルフを知ってからは、すべて間違いと結論している。

3.ボールを打つ基本

片山晃氏は、そもそもクラブでボールを打つということは、振り上げたクラブヘッドを遠心力と重力を利用して振り下ろしボールにぶつけることである。インパクトの後は、ボールは飛んで行ってしまっているので、フォロースル―やフイニッシュをとやかく考える必要はない。要するにゴルフは、トップからインパクトまでが勝負であると言っている。

4.実際に役に立った片山晃氏のスイング動画

片山晃氏は、沢山の動画をyoutubeにアップしているが、大いに参考になった動画を以下に紹介しておく。

片山晃氏の主張は、上の動画を見れば、よくわかるが、以下に簡単にまとめておく。私は、左効きなるも、右効きで記述しておく。

(1) グリップ
ストロンググリップを推奨
(2) コック
コックは、フルに使う。
(3) テイクバック
右腕を捻転しながらフェースを90°開いて地面と平行にし、コックを完了したら、腕を上に挙げる。円弧ができるだけ大きくなるのがよいので、オーバースイングしてもよい。
(4) ダウンスイング
ヘッドを右側面下に振り下ろしたら、あとは右手で振り抜く。 下半身は、動かないよう固定する。ただし、腕を振るので、その結果として下半身は動く。
(5) フォロースルー、フイニッシュ
球が飛んで行った後なので、形を気にする必要はない。正常なインパクトが行われれば、それ相応のフォロースル―とフイニッシュになっている。

5.寄せとパットは、絶対に右手

片山晃氏は、盛んに右手、右手と言っているが、私は、クラブは両手で持っているので、右手にこだわらないで両手と認識していた。ところが、2016/8下旬になって、寄せとパットのときに意識して右手(私は、左効きなので左手)を使ってみたところ、打球のブレが非常に少なくなりスコアがよくなった。
 寄せで右手を使うと打球のブレが少なくなると共にダフリ、トップがなくなった。右手は、利き手なので、コントロールし易く、利き手でない左手で打つからダフリ、トップが発生すると理解した。下に片山晃氏のアプローチの動画を載せておく。

 パットも右手を使ってみたところ、方向性、距離感が非常によくなった。利き手だからコントロールができると理解した。
 レッスン書やネットの情報を見ると、すべて、パットは、腕を振ってはならない、肩を振れとなっている。これに対して片山晃氏は、肩振りは不可、肩は動かさないで肘から先を振れと言っている。これは、正解だと思った。我々は、日常生活で肩を振ってコントロールする動作はない。釘を打つ、何かを投げるなどは、腕でコントロールしている。よって、パットも腕でコントロールすれば簡単である。肩を振る動作なら膨大な練習が必要であり、プロにはできるかもしれないが、我々アマチュアには無理である。下に片山晃氏のパットの動画を載せておく。

 これに対して、小原大二郎の動画を紹介しておく。肩を動かす「ショルダーストローク」をするように言っている。一般の書籍などは、すべてこれである。

6.いろいろと調査・勉強したこと

以下は、折につけて調べたことなどです。興味のある方は、読んでみてください。

6.1 体を動かすと腕がついてくるのか、腕を動かすので体がついてくるのか
 ネットで出てくるティーチンングプロの中井学氏は、体を動かすことが大切で腕はそれに従てついてくると言っている。一方、森守洋氏は、腕を振ることが大切で、体はそれにともなってついてくると言っている。皆さんは、どちらが正しいと思いますか。まわりの人に聞いてみると、中井学氏の説をとる人が以外に多いです。下の動画を比較してみてください。

  中井 学氏「ゴルフに腕は使わない2
  森 守洋氏「第08回 あらためてダウンブローとは!

 私は、森守洋氏の説をとります。特に森守洋氏の動画の中で、瓦割にたとえて腕と体の動きを説明していますが、これは実に良いたとえだと思いました。ゴルフと瓦割の下半身の動きは同じです。瓦を割ろうとして右腕を上に挙げると、腰は、右に45°回転します。これは、ゴルフのテイクバックで腰が45°回転するのと同じです。振り上げた腕を瓦を割るために強く下すと、股関節の前に瓦があるとすると、腕が瓦を割るときは、腰は左に15〜30°回転します。これは、ゴルフのインパクト時点と同じです。瓦を割って腕が更に下に下降すると腰は、左に45°程度回転します。ゴルフでは、腰が回転しているので、インパクト後に45°を通過します。
 私は、これでゴルフの本質を悟りました。ゴルフは、腕を振ることです。腕を振るから体が動くのです。スイングを体の動きで事細かに説明する解説書やレッスンは誤りです。中井学氏は、「体打ち」を推奨していますが、「体打ちを極めるレッスン その2」の動画をみてもさっぱりわかりません。肘を曲げで腕を使わないで打っても70%程度の飛距離は出ると説明しているけれども、スイングをよく見ると腕を使っています。彼の説は、インチキです。
 ゴルフが難しいのは、体を動かすことばかり教えるからです。
 なお、森守洋氏は、「下半身始動は間違いではない」と言いながら、「下半身始動は意識するな」と言っています。これは、腕を振れば、下半身も動くということだと思っています。私は、意識した下半身始動は誤りと認識しています。意識して下半身始動を行うと、腰を左に移動するか、または腰を切るしかありません。これを行うと胸が開きスライスになってしまいます。
6.2 切り返しからインパクトまでの短時間に何ができるか
 上で説明したようにゴルフは、切り返しからインパクトまでが勝負です。
 プロ選手のトップからインパクトまでの時間を、スイング動画から算出すると、石川遼君は 0.29sec、諸見里しのぶさんで 0.38secです。よってこの時間は、長くて0.4secと考えればよく、非常に短時間です。
 わずか0.4secの間に何ができるでしょうか。人間の反応速度は、0.2secだそうです。
 0.4sec間では、一つのことしかできません。私には、上で説明したように「クラブを左側面に落とす」ことしかできません。この時間内に「体重移動」とか「タメを作る」とか「腰を切る」とか「肩を回す」など複数件を行うことはできません。やれば、ボールに当たらないと思います。
 片山晋呉選手をコーチしたという谷将貴氏の「シンプル・スイング ミニbook」を見ると、次の3つのことをやらなければなりません。
「右のヒップを壁にこするように左へ移動」→「手元は胸の正面右サイドを向いたままダウン」→「左足1本分左へ移動 ハンドファーストに」→「ハンドファーストの形でボールにコンタクト」となっています。以前にこれをやろうとしましたが、とてもできませんでした。当たり前です。時間をかければできますが、0.4sec程度の時間では不可能です。
 あちこちのレッスン書などで「背骨を軸に体を回せ」という説明がありますが、切り返しからインパクトまでの背骨の回転は、約 90°です。0.4secの間に背骨を回転させる意識を持つことなどできません。
6.3 タメについて
 右脇に上腕を着けてクラブを振ることをタメを作るというようです。プロのスイング解析の動画を見ていると、右脇に上腕が着いているとタメを作っていると解説者は説明しています。
 ネットには、タメを作ると飛距離がアップするとして動画とかドリルが沢山紹介されています。例えば、この動画「タメができる秘密とドリル」を見ていいただきたい。タメなんて本当に作れるでしょうか。タメを作る時間は、せいぜい0.2secです。こんな短時間にタメなど作れません。タメを論ずる人は、時間を全く無視しています。
 片山晃氏は、タメを作ってクラブは振れない。これをやったら100を切れないと言っており、切り返しでは、ヘッドを側面に落とすだけで、タメなど作っていないと。
 氏の「ゴルフ 左肩の開きを抑えて飛距離アップ」という動画の中でフルスイングをしてるので、これを動画のフレーム順に表示したものを下に示します。フレーム間の時間は、40msです。

 よく見ていただきたい。インパクト寸前まで右上腕が右脇に着いています。これは、タメではないでしょうか。トップから右側面にヘッドを下に落とせば、右上腕は、右脇に着いてスイングされるので、あたかもタメを作っているように見えるだけです。できもしないタメの議論は止めるべきです。アマチュアのスイングには、タメがないとよく言われていますが、それは、ヘッドを側面下に落とさないで、横振りをしているからだと思います。
6.4 フェースターン
 すでに削除された「DIAMOND Golf & Lifestyle」というページを見ていたら、芹澤信雄氏の説明の中に次の文章がありました。
 『クラブを手だけで振らずに、体の回転を使って打つんだ、と教える人が大半でしょう。しかし、それは間違いです。正解を申し上げましょう。スイングの基礎作りにおいて、最初に覚えるべきことは、"中心軸を動かさずに、体の正面で腕を返して(=ヘッドを走らせて)ボールをとらえる"ことです。
 ゴルフ経験の長い人や、日頃ゴルフ雑誌などで知識を得ている人は「?」と思われるかもしれません。それでは手打ちではないか、と。』
 そして、この後に、7番アイアンを使ってリストターンの練習をする詳細なドリルが載っていました。私は、これは、正論だと認識したので、練習場へ行ったとき、20球程度練習してみました。やってみると意外に難しいのです。77歳にもなってこんな基礎スイングを練習するのは正しいのかと疑問に思いました。書いてあるとおりにやると難しいですが、上で説明したクラブを側面に落とす振り方をすると簡単にストレートか軽いドローボールが打てることがわかりました。そこでこのレッスンは中止しました。「側面に落とす」は真理です。

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