伊賀国一宮は、
敢国神社であり、所在地は、三重県伊賀市一之宮877で、関西本線佐那具駅南方約2kmのところにある。御祭神の主神は、大彦命(おおひこみこと)、配神は、少彦名命(すくなひこなのみこと)および金山比当ス(かなやまひめのみこと)である。
神社の略史によると、敢國神社は、658年に創建され、大彦命・少彦名命の二神であったという。大彦命は、第8代孝元天皇の長子で、四道将軍として北陸を平定した後に、一族とともにこの地に永住し、伊賀国の開拓を行った。この地には、以前から渡来人の秦(はた)族が住んでおり、彼らが信仰していた神が少彦名命であり、当時は現在の南宮山山頂付近に祀られていたが、神社創建時には南宮山から現在地に遷された。創建後、南宮山跡地に美濃国南宮大社の御祭神である金山比当ス(かなやまひめのみこと)を勧請した。その南宮山の金山比当スが、敢國神社の本殿に合祀されたのは創建時より319年後の977年のことと記録されていると。
2012年4月16日朝、宿泊した奈良駅前のスーパーホテルを発ち、奈良駅のコインロッカーに荷物を預け、みやこ路快速で加茂へ、加茂で柘植行に乗り換え9時頃、佐那具駅に着いた。佐那具駅から柘植川の橋に着くと堤防沿いの桜が満開で綺麗だった。県道676号を南下して行くと左手遠方にお城の天守のような建物が見えてきた。過去数年間お城巡りをしてきたので、天守風の建物があると興味が湧いてくる。建物の前には、赤い鳥居が見えたので、一風変わった神主さんが、お城風の神社を建てたのではないかと想像した。誰かに聞いてみようと思いながら歩いたが、誰にも出会わなかった。
駅から神社までの歩行距離は、約2.4km、約30分の歩行で県道沿いの神社入口に着いた。ここから150m程度東に入ったところに神社があるが、二本道があり右側が表参道、左側が裏参道になっていた。表参道を進んで行くと突き当りの左側が神社であった。朱色の立派な鳥居があった。この神社の境内は、広くなく、鳥居を入ると直ぐに拝殿へ上がる石段があり、石段を上がるとすぐに拝殿であった。拝殿で参拝後、右に回って本殿を拝見しようとしたが、透かし塀越にしか本殿を拝見できなかった。よく見ると透かし塀の右端が少し壊れているところがあったので、そこへ行って本殿を拝見した。
参拝後は、裏参道を通って帰ることにし、その沿道にあるむすび社、大石社に参拝した。
帰りの道は、天守風建物を確認するために、来た道を通らないで県道138号を通ることにした。建物の近くに来たとき、幸いに地元の人とおぼしきおばさんに出会ったので、聞いたところ「テンシンキョウですよ、新興宗教ですよ」と答えてくれた。よく見ると「天真教」という看板が立っていた。新興宗教と知って一気に興ざめしてしまった。それにしても、最初に見たとき、何故新興宗教と考えなかったのかと自問した。
佐那具駅に着いて時間待ちをしているとき、「荷物を預かります」というメモ書きが目に留まった。荷物を預かってもらえるなら奈良駅のコインロッカーに入れる必要はなかったのにと残念に思うもインターネットに掲載されていないとどうしようもない。
この後、関西本線の下りに乗り加茂で乗り換え奈良にもどり、荷物をとってみやこ路快速で京都へ向かった。15:00から修学院離宮見学である。
2012/06/14)