周防国一宮は、玉祖神社(たまのおやじんじゃ)である。所在地は、山口県防府市大字大崎1690で、防府駅の西方約3.5kmのところにある。祭神は、玉祖命(たまのおやのみこと)である。
玉祖神社は、北部九州の一宮を巡拝するとき最初に参拝し、その日のうちに筑前国一宮の2社を参拝することにした。すると防府では、あまり時間が取れないので、タクシーを利用することも考えたが、いろいろ検討した結果、防府駅から県立医療センタまでバスで行きそこから歩くことにした。この計画は、参拝時間が15分程度しかなくかなり厳しい計画であった。
2012年5月13日(日)朝、6:15の特急スーバーおきで松江を発ち防府へ向かった。山陽本線の連絡が悪く新山口で1時間待って特急ひかりで防府へ、防府には、11:07に着いた。防府には、2011年8月20日に毛利氏庭園見学で一度来ているので、駅周りの状況はわかっていた。
県立医療センタ行のバスは11:35、停留所で待つもバスがなかなか来ない。45分になっても来ない。ハッと気がついた。今日は、日曜日ではないかと。あわてて日曜日のバス時刻表を見ると、11:48になっていた。このバスに乗ったのでは、参拝時間がほとんどない。結局、バスは諦めてタクシーを使うことにした。バスの時刻表は、一般に平日と祝祭日は異なるので注意していたがとうとう間違えてしまった。
タクシーの運転手といろいろ話した。玉祖神社の正規の読みは、「たまのおやじんじゃ」であるが、地元では、ほとんどの人が「たまそじんじゃ」と言っていると説明してくれた。
タクシーは、県道187号を西に進み佐波川を渡り乗車約10分で参道入口に着いた。右側に「周防一宮國弊社」という石柱が立っていた。参道を200m程度行くと神社入口に着いた。左側に由緒の説明板が立っていた。鳥居をくぐると神門である。神門を入ると立派な拝殿が見えた。拝殿で参拝後、右に回って本殿を拝観した。
神社入口の説明板の由緒を転記しておく。
「周防国一ノ宮として由緒深く、御祭神は三種の神器の一つである八坂瓊曲玉を造られた玉祖命であります。玉祖命は五伴緒神の一柱として中国地方を治められ、ここ大崎の地で没せられたと伝えられ社殿の北、約五百米にある玉岩窟(たまのいわや)はその墓所と云われています。神社の創建はあまりにも古く定かでありませんが、景行天皇十二年西征にあたって戦勝祈願のため宝剣を奉納されたものが今でも御神宝として伝わっております。
仲哀天皇・神功皇后も西征の折ご参拝になり、今の佐野焼の始祖と云われる沢田の長に三足の土鼎(どてい)と
(ひらか)を作らせ米を炊き捧げられ、また軍の吉凶を占われたことに起因すると云う占手神事も昔ながらに伝えられ厳かに執行されております。
玉は洋の東西を問わず美しく尊いもので平和のシンボルとされていますが四月十日の玉の祭には全国各地から宝石・眼鏡・時計・カメラ業者が参拝しており、玉の祖神として、また平和の神として崇敬されております。」と。
参拝が終わると、バスの時刻がわからないので、県立総合医療センタへは向かわないでタクシーで来た道を歩き出した。歩行距離は4.2kmで、約1時間で防府駅に着いた。この後、筑前の一宮を参拝するために、新山口から特急さくらに乗車し博多へ向かった。
(2012/06/22)