筑前一宮 筥崎宮、住吉神社


 筑前一宮は、筥崎宮(はこざきぐう)と住吉神社(すみよしじんじゃ)の2社である。

筥崎宮
 この神社の所在地は、福岡県福岡市東区箱崎1−22−1で、鹿児島本線箱崎駅の南南西約500mのところにある。
 主祭神は、応神天皇で、神功皇后と玉依姫命を配祀している。
 本宮が在する地名・駅名などは筥崎宮の「筥崎」では筥崎八幡神に対して恐れ多いという理由から「箱崎」と表記されているという。
 2012年5月13日、防府の玉祖神社を参拝した後、新山口で特急さくらに乗車し博多へ、博多駅に荷物を預けて鹿児島本線で箱崎へ向かった。箱崎駅で下車し妙見通りを南下し5分で筥崎宮の入口に着いたが、ここは裏口である。入って行くと廻廊の裏側に突き当たった。裏からお参りするのは、いやなので、左折して進み表参道の一ノ鳥居を一旦出た。一ノ鳥居は、石造りで慶長14年黒田長政が建立したもので国指定の重要文化財になっている。表参道を振り返ると一直線に参道が続いており遠方に二ノ鳥居が見えた。


箱崎駅からの入口

廻廊裏側 奥に本殿の屋根が見える

一ノ鳥居(国重文)

振り返って参道を見る 遠方に二ノ鳥居

 一ノ鳥居をくぐり透かし塀を入った右手に説明看板があり簡単な由緒が書いてあったので、転記しておく。
『筥崎宮は後醍醐天皇の延長元年(923年)に創建され、延喜式神名帳に八幡大菩薩筥崎宮一座名神大社とある。宇佐・石清水両宮と共に日本三大八幡として朝野の崇敬あつく、特に鎌倉時代以降は武神として武家の信仰をあつめた。
なお、「敵国降伏」の宸翰を掲げる楼門は伏敵門として有名である。』
 正面には、立派な楼門が見えた。この楼門は、筑前名島城主であった小早川隆景が文禄三年(1594年)に造営したものであり、「敵国降伏」は、亀山上皇の宸翰であるという。
 楼門前で参拝した後、本殿を拝見しようとしたが、廻廊内には入れないので、楼門入口から拝見し、また、左手の廻廊入口が開いていたので、そこから拝見した。
 本殿・拝殿は、戦国時代戦火兵乱により荒廃し、のち、大宰大弐大内義隆により天文15年(1546年)に再建されたものであり、国指定重要文化財になっている。


楼門(国重文)奥に本殿の屋根

「敵国降伏」の扁額

楼門から拝殿、本殿(国重文)を拝見

廻廊左入口から本殿を拝見 右は拝殿

 拝殿・本殿は、廻廊に囲まれておりよく見えない。離れて見ると、本殿の屋根の一部が見えるだけである。


離れて見ると本殿の屋根が見える。

 境内奥の西側には、西末社があり、龍王社、若宮殿、仲哀殿、厳島殿、民潤社が祀られていた。東側には、東末社があり、池島殿、武内社、乙子宮、住吉殿、稲荷社が祀れれていた。社殿右側には、木造の亀山上皇御神像(銅像原型)を安置した奉安殿があった。説明看板には、亀山上皇は、第九十代として即位された鎌倉時代の天皇で、元寇に際して「身を以て国難に代わらん」と、全国の社寺に国家の安泰を祈願されたとあった。


東末社

西末社

木造亀山上皇御神像を安置した奉安殿

 参拝が終わると、箱崎駅には、戻らないで、表参道を博多湾に向かって歩き箱崎宮前駅から地下鉄に乗り博多に向かった。

住吉神社
 この神社の所在地は、福岡県福岡市博多区住吉3−1−151で、博多駅南西約600mのところにある。
 祭神は、神社ホームページによると、
『住吉神社は底筒男神(そこつつのおのかみ)、中筒男神(なかつつのおのかみ)、表筒男神(うわつつのおのかみ)の住吉三神を祭神としています。御出現は、伊弉諾大神(いざなぎおおかみ)が筑紫の日向の橘の小戸の阿波伎原でミソギハラヘ(禊祓)をされたときにお生まれになったと「古事記」に記されています。相殿(あいどの)には天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)、神功皇后(じんぐうこうごう)を配祀し、これを併せて住吉五所大神とも呼ばれています。』とある。
 この神社には、2007年10月4日、名島城を見学した後、博多駅で電車待ちの時間を利用してこの神社に参拝している。
 2012年5月13日、筥崎宮を参拝した後、地下鉄で博多に戻りこの神社の参拝にむかった。博多駅から南西方向に6、7分歩いて行くと住吉神社の南門に着いた。南門は、表門ではないようで鳥居をくぐると池の向いに小さな神社の社殿が見えた。この神社は、三日恵比須神社であった。この神社のお参りは後にして、表門と考えれる西門へ向かった。


南門

三日恵比須神社

 西門は、表門であった。鳥居をくぐると100mぐらい参道が続いていた。参道を進んで行くと二ノ鳥居があり、左手に手水舎、正面に神門があった。神門を入るとすぐに本殿である。通常の神社は、手前に拝殿がありその奥に本殿があるが、この神社には、拝殿という名称はないようで、まとめて本殿と称しているようだ。摂津の住吉大社も拝殿という名称はない。現在の本殿は黒田長政が元和9年(1623年)に再建したもので、国の重要文化財に指定されている。
 本殿で参拝した後、右側から本殿の奥を拝見したり、左側の奥から本殿を拝見した。


西門 一ノ鳥居

参道

二ノ鳥居 左手に手水舎

神門

拝殿(国重文)

本殿を右側から

本殿を左側奥から

 本殿の拝見が終わると、稲荷神社、摂末社(船玉神社、志賀神社、人丸神社、菅原神社)、三日恵比須神社にお参りした。なお、神門の横にある神楽殿の写真を載せておく。


摂末社

稲荷神社

神楽殿

三日恵比須神社

 この日は、博多駅東側にある東洋ホテルに宿泊した。次の日は、壱岐国の一宮参拝である。