16.安倍首相辞任 本当に体調悪化が理由か (R02/09/01)
安倍晋三首相は8月28日夕の記者会見で、体調悪化を理由に辞任すると正式に表明した。これを聞いて、辞任理由は本当に体調悪化だろうかと疑問に思った。
首相就任当初は、瑞穂の国の資本主義の育成、戦後レジュウムからの脱却、憲法改正、デフレからの脱却などを挙げていたので、大いに期待したが、7年8ヶ月を経過してみると何も実現していない。彼には、周囲の反対を押し切って目的を推進するという気概が感じられない。靖国神社参拝を行ったが、米大使館から一言を言われて以後取止めてしまった。トランプを説得して参拝を再開できなかったのだろうか。国のために命を落とした人を弔うのは、1国の首相として当然である。右翼だ左翼だなどは関係ない。
7月末にアメリカのCSIS(戦略国際問題研究所)から今井補佐官、二階幹事長を問題視する論文が発表された。これに対し安倍首相は、放置しないで何等かの対応が必要である。しかし、安倍首相は、今井補佐官を退けることはできないし、幹事長を交代させることはできないので、病気を理由に辞任を表明したと考える。病気も理由にあると思うが、CSISの批判が第一だと判断する。
安倍政権は、7年8ヶ月に及んだが、外交については、ある程度成果があったようであるが、経済・内政は、全くの落第である。アベノミックスと言って騒がれたが、財政出動は、初年度のみ10兆円程度で以降は、緊縮財政である。プライマリーバランス黒字化を閣議決定し緊縮財政と2度にわたる消費税増税を行った。デフレのときに増税は絶対にやってはならないことであるが、これを実行した。お陰で日本経済はメタメタである。GDPは、増えないし、賃金の下落は続き、そのため結婚できない人が増え少子化が加速している。三橋貴明氏のブログによると、あの悪辣な民主党政権のときより悪い経済状態だという。そして内政では、種苗法改正、入管法改正、アイヌ新法制定などグローバリズム推進に徹し日本の弱体化を推進している。そして、憲法改正は、口だけでサッパリ進んでいない。
次期首相にこの閉塞状況を打開してもらわなければならないが、出て来る名前は、期待できない名前ばかりだ。
一番大切なことは、プライマリーバランス黒字化を排し積極財政を行いデフレからの脱却とGDPの成長が必要である。GDPが増えれば、賃金は、上昇する。あと一つは、憲法改正である。国際問題は、話し合いだけでは解決できない。話し合いを有利に進めるには、軍事力が必要である。プライマリーバランス黒字化を廃止すれば、防衛費をGDPの1%から2%に上げることは簡単である。これだけでも相当な雇用を生む。次期首相にこれができなければ、日本はどんどん衰退して行くだけである。
小浜逸郎氏(@評論家/国士舘大学客員教授)が、「新」経世済民新聞で「安藤裕衆議院議員を自民党総裁に」と題して論じているが、この中で「ここに、三橋貴明氏が安倍政権の「負のレガシー」を手際よくまとめた一覧がありますので、少しだけアレンジして借用いたします。」と記しているので、是非、目を通していただきたい。