2.惨憺たる現状(R01/05/23)

 令和に入ったらせっせと書こうと思っていましたが、なかなか手がでませんでした。
 No.1で「惨憺たる現状」と書き数値を示しませんでしたが、ここでは、三橋貴明氏のグラフを使って説明します。
 下の図は、対1996年比の主要国2016年GDP(ドル建て)です。20年間にGDPが何倍になったかの図です。中国は13倍、ロシアは3倍、韓国は2.4倍、アメリカは2.3倍、イギリスは1.8倍、フランスは1.5倍、ドイツは1.4倍ですが、日本は、1.0倍です。要するに日本は、20年間に全く成長していないということです。このままでは、韓国に超されてしまいます。

 次は、実質賃金です。下の図は、「日本の実質賃金の推移」です。2015年を100として表示されています。何と10年間で10%も実質賃金は、減少しています。とんでもないことです。

 原因は、政府が、財務省の言いなりになって、財政拡大をしないからです。日本は、長い間、デフレですが、デフレ脱却には、GDPを増やす必要があります。GDPは、国民の消費、企業の設備投資、貿易収支の黒字分、そして政府の支出の合計です。国民は、デフレですから消費を増やしません。企業は、設備投資しても儲からないから、設備投資をません。増やせるのは、政府だけです。ところが、財務省は、バランスシートの全体を見ないで債務残高のみを見て緊縮財政を主張し、更にプライマリーバランスの黒字化を主張しています。政府が財政拡大をしないと今の惨憺たる状態が続くだけです。

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