1. ブログ開設(2012/02/29)
ブログを開設しようかどうしようかと数年迷っていましたが、この度開設することにしました。そうそう書くことはないけれども、生活していて何かトピックスめいた事柄があったら掲載することにしました。
2. タイの水害の影響(2012/02/29)
このところ小さい字が読み難くなったので、片目づつを閉じて調べたところ、右目は、問題ないが、左目は、かなりボケて見えることに気付いた。左眼は、3年前に白内障の手術をしているので、徐々に変化してきたと思われる。
そこで、左のレンズだけ交換しようと眼鏡店へ行った。いろいろ調べてくれた後、購入手続きに入ったところ、私のレンズは、ホヤ製で、ホヤ製レンズは、タイで作っているが、例の水害で製造停止しているという。入れるレンズは、ホヤ以外のメーカのものになるという。左右でメーカが違うことになりよくないという。左のみ他社製のレンズを入れ、よくなかったら後ほど右側も交換するようにもできたが、面倒なので両方のレンズを交換することにした。タイの水害は、こんなところにも影響を与えていた。
タイの水害というとあと1件ある。エプソンのプリンタの調子が悪いので、キャノンの相当品を買おうとしたが、タイの水害で製造をストップしているため、製造再開待ちをしている。かなり先になるようだ。
3. こんな人が東大教授?(2012/03/03)
今朝の産経新聞を見たら、1面左上に東京大学・大学院教授 伊藤元重氏の「ギリシャとは違う?」というコラムが載っていた。以前に三橋貴明氏がケチョンケンチョンに批評していた人のように思えたので読んでみた。 実にわけのわからない文章だ。政府の借金が大きいから危ないと言いたいようだが、日本と全く異なるギリシャを例にいい加減な「国民の不安感」を持ち出し「市場から見放されたら大変なことになる」と結んでいる。題名からするとギリシャと同じだと言いたいようだ。どうすべきかなどは書いていない。いい加減にせいと言いたくなった。彼は、財務省の犬になって増税増税とわめいているとのことなので、増税のための誘導文のようだ。 こんな論理展開しかできな人が、東大教授かと呆れた。
産経新聞もこんな記事を載せるのは、いい加減に止めてもらいたいものだ。巷では、産経新聞は、「経済」という字が入っているが、経済のわからない新聞と言われているとのこと。ただし、田村秀男氏は除くと。田村秀男氏の記事は、ときどき出るが、どの記事も経済の本質を明快に述べており立派である。
三橋貴明氏のブログを「伊藤元重」で検索してみたところ、2件ヒットした。下記するので読んでみてほしい。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10403868981.html
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10532574220.html
センセ、センセw
前半はともかく、後半以降が滅茶苦茶です。特に、
「もし政府の借金が外国債であったら、政府債務の問題はもう少し簡単なのかもしれない。借金が踏み倒されるだけだ」
はないでしょう。政府の対外債務は、基本的に踏み倒すことはできません。日韓併合時だって、日本は韓国の膨大な対外負債をきちんと受け継ぎ、返済しています。ロシアにしてもアルゼンチンにしても、一時的に返済不可能になったために「デフォルト(債務不履行)」になりましたが、その後、きちんと返済しています。(ロシアは、資源バブルの時に前倒しで返しました)
対外負債について「借金が踏み倒されるだけだ」などと言っている人が「大学教授」の職にあるわけですから、日本の自称知識人連中のレベルの低さが思いやられます。と言うか、本当に踏み倒しちゃったら、その後の日本国民はどのように海外と取引すればいいのでしょうか? そちらの方が余程「将来世代の負担になる」と思うのですが、いかがでしょう。
4. EU新財政協定、英・チェコ除く25カ国が署名(2012/03/04)
題記は、産経新聞には、載っていませんでしたが、今日の三橋貴明氏のブログを読んだら載っていました。そして本件に関してきちっと解説してありました。一部を引用しますと、
『現在のユーロ圏の多くの国々は「デフレ化&失業率上昇」で困っているわけです。
この状況下にも関わらず、「財政均衡の憲法化」という無茶苦茶な協定に各国首脳がサインしてしまうわけですから、時代が変わったとしか申し上げようがありません。失業率が20%を超えるスペインやギリシャは、上記の「財政均衡の憲法下」施策により、これまで以上に失業率が上昇し、国民の所得が下がる悪循環に投げ込まれることになるでしょう。』などなど。
EU関係国は、ユーロ体制維持に躍起になっていますが、そもそも関税を撤廃し通貨統合なんてうまく行くはずはありません。これをやれば、強い国が勝つに決まっています。ドイツ経済は強いので、弱いギリシャ、スペインなどにどんどん輸出するので、ギリシャ、スペインなどの職を奪い驚くような失業率になっています。政府には、財政政策と金融政策がありますが、通貨統合は、金融政策の放棄です。そして今度は、新財政協定で財政政策の一部放棄です。放棄と書きましたが、EUによる主権侵害です。これを良く理解してるのは、イギリスでユーロに不参加、新財政政策にも賛成していません。立派です。ギリシャ、スペインなどは、財政健全化も失業率改善もできないと断言します。解は、ユーロからの離脱しかありません。
民主党政権は、TPP参加を推進していますが、これは絶対にやってはいけません。関税を撤廃すれば、強いところが勝ちます。日本の米などは、完全に敗北します。努力が足りないという人が多数いますが、飛行機で種を蒔いているところと競争できないのは明白です。農業以外でも、保険、医療などアメリカに滅茶苦茶にされるでしょう。そもそもTPPは、アメリカの貿易額拡大のために他国の富を奪う意図をもったものです。
次回の選挙では、民主党を絶対に落とさなければなりません。日本の破滅防止のために。
皆さん、よろしくお願いします。
5. 今年の冬は、過去10年間で一番冷えた(2012/03/07)
今日は、気温が15℃まで上がり暖かかった。春の訪れを感じた。
およそ10年前からベゴニアをプランターに植えテラスを飾っている。ベゴニアの色は、ピンク(白が入っている、写真参照)と白である。ピンクは、種が落ちて翌年発芽するので、これを育てっている。よって、10年来苗を購入したことがない。
咲いているベゴニア
枯れたベゴニア
6. また、あのどうしようもない教授のコラム(2012/04/07)
2012.04.07の産経新聞の1面に先に批判した伊藤元重東大大学院教授の「建設的論議なき反消費税」というコラムが載っていた。 読む気はしなかったが、また、いい加減なことを書いているのではないかと思って読んでみたとろ、呆れてしまった。 よくもまあこんな文章を書くものだと。文章の前半に反グローバル化運動を取り上げ、消費税反対運動と似ており建設的論議がないと言っている。自分の見解と異なると、建設的論議でないと言う。どうかしている。
消費税のところでは、「それでは日本の財政制度はこのまま数年ほうっておいてよいのか、という点については、何ら建設的な議論は見られないように思える。私のような経済学者から見れば、今の日本の財政状況を見て、危機感を覚えないのは不思議だ。消費税を数%上げたからといって問題が根本で解決するわけではないが、消費税の引き上げもできなくてどうしようもない。」と書いているが、この先生は、財政健全化は、まず消費税増税と単純に考えているようだが、 実にお粗末である。
デフレのときに増税すると更にデフレが進行し税収はかえって減少し財政はますます悪くなる。財政健全化は、まずデフレからの脱却が必要ある。デフレ脱却は、政府が金を使う強力な財政政策が必要ある。
この先生、やはり増税推進屋の財務省の犬である。わけのわからないことを書いて増税を主張している。産経新聞も増税賛成なので、このようなどうしようもないコラムを載せている。
7. 2012/4/28産経新聞のとんでもないコラム(2012/04/28)
今朝(2012/4/28)の産経新聞にスペインの国債格下げに関連して「政局流動化「日本売り懸念」というコラムが載っていたので、読んでみたらとんでもない内容だった。署名はないが産経の記者だと思うが、経済情勢をさっぱり勉強していないようだ。
「スペイン国債の格下げで再熱が懸念される欧州の債務危機は日本にとっても『対岸の火事』ではない。」という出だしで始まっているが、この記者は、スペインと日本の経済状況の差を全く考えないで、政府の債務のみを取り上げて議論しており全くナンセンスである。この記者は、消費税を上げれば、財政が再建されると思っているようだが、どんでもない。デフレのときに消費税を上げれば、総税収はかえって落ちてしまう。
昨年8月にムーディズは、日本国債を格下げしたが、格下げ直後金利は少し上昇するも、その後は、金利は以前より下がっている。スペインは、経常収支赤字でユーロ建てで外国からの借金であるから、格付けが下がれば国債金利は上昇するが、日本は、スペインとは異なり経常収支黒字国であり、国債は100%円建て、95%は国内消化で国外はわずか5%である。格付会社が、なんだかんだと理由をつけて格下げしても金利は上らないし、暴落することもない。日本の銀行には金が余っているので、投機マネーが日本売りしても、暴落するようなことはない。
この記者は、全く勉強していないようだ。新聞社内には、チェックの関門があるはずだが、ここを通過しているので、何としても消費税を上げたいためのプロバガンダではないかと推察する。産経新聞は、こんなコラムを載せて恥ずかしいとは思わないのだろうか。産経新聞よ、いい加減にせい!
8. 田村秀男氏「消費増税こそギリシャ化招く」と(2012/04/29)
今朝(2012/4/29)の産経新聞の日曜経済講座で田村秀男氏が「消費増税こそギリシャ化招く」と題して論じていた。正論である。 記事の中で野田首相の答弁、河野龍太郎氏のコメント、日経新聞の主張、白川日銀総裁のワシントンでの発言が載っているが、よくもまあこんなとんでもない間違いを言うものだと呆れてしまった。
野田首相は、「消費税を引き上げることで社会保障の将来像に不安がなくなる。消費が喚起され、経済が活性化される可能性がある。」とは驚きである。消費税を上げれば、勤労者の可処分所得が減るため消費が減り、経済は停滞するのは明らかである。
河野龍太郎氏は、「政府債務が増えるほど、現役世代は消費を抑える傾向がある」とはあきれた。政府債務が増えていることは事実、そして消費は減少していることも事実であるが、消費減少の原因を政府債務の増大にあるかのように言っている。この文を受けて日経新聞が「国が借金を膨らませる状況では、現役世代は将来の負担増を懸念して生活防衛色を強める」とは、よく言ったものだ。現役世代は、消費するとき政府の借金など考えていない。デフレで可処分所得が減っているので、消費できないだけである。白川日銀総裁の言も同じだが、「人々は将来の財政状況への不安から支出を抑制し、」と消費減を政府の借金大のせいにしている。これらの人達は、デフレを全く理解していないようだ。それとも増税したいためウソも方便と考えてにこんなことを言っているのだろうか。
それにしても経済の世界は、間違いが多すぎる。ヨーロッパは、ヨーロッパでユーロというお化けを造ってすったもんだしている。通貨を統一し関税などの規制を撤廃したら強いところが勝つに決まっている。これから生じた欠陥を財政規制で対策しようとしているがお笑いである。ユーロは必ず崩壊する。
9. 野田首相では国が亡びる(2012/05/03)
一昨日(5/1)の三橋貴明氏のブログの中に下記の記事が載っていた。
『民主党の野田首相は、4月29日、
「政権交代から2年半、民主党、連立政権に、まだまだいたらぬ点があることを率直におわび申し上げる。しかし、公共事業費を3割以上削減するなど政権交代前にはできなかったことが次々と実現していることは紛れもない事実だ」
と発言しました。
「私たち民主党は公共事業費を削減し、現在の国民の所得を減らし、将来世代の安全や経済成長を疎かにすることに成功しました。凄いでしょう!」
と威張っているわけです。わたくしたち現在の日本国民は、果たして将来世代からどのように評価されるでしょうか。』
三橋氏は、怒りを超えて苦笑しています。デフレのときに公共事業を削減すれば、雇用を奪って景気を悪くしデフレを加速します。こんな首相を頂いていたら本当に日本は、奈落の底に突き進んで行きます。
今朝(5/3)の産経新聞の一面に田村秀男氏が「大災厄は政府がもたらす」と題してコラムを載せています。すこし長いけれども一部を掲載します。
「最優先すべきは増税ではなく、脱デフレと大災害に強い日本列島の再生の同時達成である。そう主張すると、必ずと言ってよいほど、財務省寄りの論者から反駁される。「財源もないのに、どうするんだ」と。
カネはある。日本は世界最大の債権国で、債権総額から債務を差し引いた純債権は250兆円に上る。家計貯蓄が政府の純債務625兆円ぽかりでなく、米国など海外の借金を引き受けている。
近現代経済学の巨頭、J・M・ケインズは国内の貯蓄は全額、国内投資に振り向けるべしと、説いたが、財務省は債券を発行して貯蓄123兆円を吸い上げて米国債などの購入に充てている。
国際金融市場安定のためにドルや米国債を保有するのはよいとしても、家計をやりくりして貯めたおカネを使うのは国際的な非常識だ。日銀がお札を発行し、米国債を日銀の帳簿に移せば済む。政府はこの日銀資金を国内のインフラ投資の原資に回せばよい,そうすれば、量的緩和効果により、デフレも消滅しよう。
カネがないことを理由に、国民の生命と財産を奪う大災害に備えることができないと言い訳するような政府こそ災厄なのである。」
田村秀男氏は、産経新聞で唯一経済のわかる記者と言われているようですが、さすがです。彼の言葉を大いに拡散しデフレ脱却、日本再生を図らなければなりません。
10. 地方議会の「デフレ対策の政策を求める意見書」(2012/05/06)
三橋貴明氏は、日本のデフレ脱却のために、著書を発行したり講演を行なったりいろいろなことをやっています。
昨日(5/5)のブログで『「地方議員」の皆様に「デフレ対策の政策を求める意見書」を議決して頂き、中央政府に提出して頂く』という活動も行なっているとあり、実際に決議された吹田市の決議文が掲載されていました。
決議文の内容は、的確でわかりやすいので、拡散のために、この私のブログに転載させたいただくことにしました。
吹田市で可決された意見書は、下記。
『デフレ対策の政策を求める意見書
バブル崩壊後、日本経済は国内の供給能力に対し、需要(名目GDP)が不足するデフレギャップを抱える状況になり、物価が継続的に下落している。さらに、デフレの深刻化により国内の民間の資金需要が縮小し、銀行が過剰貯蓄状態に陥り、国債金利が超低迷する環境下にある。しかし、政府がデフレ対策を実施するどころか、構造改革や規制緩和、需要抑制策である公共事業削減、増税といったデフレ促進策を打ち続けているため、国民の所得が下がり、失業率が上がり、自殺率が高止まりを続け、少子化が進行し、円高が続き、更に財政が悪化している。
そうした国家財政の悪化が、国民の生活を困窮させ、もはや地方自治体レベルでは住民の生活を保障できないところまで事態は深刻化している。政府は超低金利下での国債発行による資金調達、直接的に名目GDPを増やす支出である公共事業などの有効需要の創出、中央銀行による長期国債の買取りなどの施策によって、マネタリーベース及びマネーストックを拡大する必要がある。
こうしてデフレから脱却することで、国民の所得拡大、失業率及び自殺率の低下、少子化の終了、円安、そして財政健全化(政府の負債対GDP比率の改善)が達成でき、かつ将来世代に健全な国民経済を残すことができると考える。
政府の国債は100%日本円建てであるため、日本銀行に国債を買い取らせることで、政府は負債の返済負担や利払いの負担から解放される。しかし、この先デフレが進み、一旦国全体の供給能力が崩壊してしまえば、将来の日本国民はそれを回復させるために、懸命に働き、苦労を重ねながら投資を繰り返す必要がある。そうしたことから、「将来世代にツケを残す」とは、政府の負債を残すことではなく、デフレを放置し、供給能力が崩壊した国民経済を将来世代に残すことである。
日本はGDPに占める外需(純輸出)の割合が僅かに1%強である内需大国であるが、現在のデフレから脱却しない以上、日本が内需主導型の成長路線に立ち戻ることはできない。
よって、本市議会は政府及び国会に対し、現在のデフレ促進策を転換し、国債発行、公共事業などの財政出動、日銀による国債買取りという正しいデフレ対策を速やかに実施するよう要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。平成24年3月26日 吹 田 市 議 会』
11. また、また、例の教授のどうしようもないコラム(2012/06/02)
今日の産経新聞の一面に例の東大大学院のどうしようもない教授の「日本は欧州と違うか」というコラムが載っていた。読んでみたが、相変わらずどうしようもない内容だ。 どうしようもないコラムなど紹介する必要はないが、FC2ブログは1ヶ月以上更新しないと広告が出るので、広告防止のために取り上げることにした。
教授は、冒頭に「いったん鎮静化したかに見えた欧州情勢も、ギリシャやフランスの選挙結果の影響などもあって先行きが怪しくなってきた。」と悠長なことを述べているが、この先生、ユーロの根本的問題点を認識していないと思われる。経済力や財政運営がまちまちの諸国が通貨を統合すれば、強いところが勝ち、弱いところが負けるに決まっている。まず、一番弱いギリシャが問題となっているが、次は、スペイン、イタリアと続いていく。ところが、この先生最後の方で通貨統合に参加していない日本に対して「欧州で起きたことと同じようなことが日本で起きないはずはない。」とのたまう。いい加減にしてくれと言いたい。
中国に対しては、「中国政府はマクロ経済のコントロールに苦労していると言ったが、それだけ中国政策は適切なマクロ経済政策の重要性を理解しているということだろう。」とは驚くばかりだ。不動産バブルを推進した政策を持ち上げている。バカバカしいからこの辺で止める。
12. 田村秀男氏の消費増税批判(2012/06/02)
今日の産経新聞に田村秀男氏の消費増税に対する批判記事が載っていた。「デフレ不況下の消費税増税 国家の屋台骨 中間層を破壊」である。 本件については、イントロ部分だけを紹介する。
「野田佳彦政権・民主党執行部と自民党は、社命保障制度改革を先送りにしてでも、消費増税関連法案を成立させる方向で一致したようだ。財務官僚の思惑通りなのだが、筆者は、日本自滅のシナリオだと断じてきた。デフレ下の消費増税は、何よりも日本の屋台骨である現役世代を一層ひどく痛めつけるからだ。
消費増税に政治生命を懸けるという野田首相は、「消費税を引き上げることで社会保障の将来像に不安がなくなる。消費が喚起され、経済が活性化される可能性もある」(3月29日、参院での答弁)と信じてきた。消費増税→社会保障財源確保→消費者の将来不安解消→景気好転というわけで、政官財、メディアの増税支特派にありがちな論理である。
が、不況下での増税で景気がよくなった試しが世界史上あっただろうか。」
田村秀男氏の言うとおりである。
13. TPPで成長実現とは、驚いた(2012/06/30)
1日遅れたが、昨日の朝、産経新聞のコラム「正論」で島田晴雄氏の「増税の次はTPPで成長実現だ」を見て、何だこれはバカな!とムカッと来た。 「TPPで成長実現」なんかできるわけがない。TPPは、インフレ対策である。日本は、10年以上デフレである。デフレのときにインフレ対策すれば、ますますデフレが促進されGDPがマイナスになり、成長実現などあり得ない。執筆者は、千葉商科大学学長の島田晴雄氏である。初めて聞く名前ではなく、過去数回コラムを読んだことがあるが何が書いてあったか覚えていない。
本文を読んでみると、はじめに、韓国経済研究院長の崔炳鎰博士の話からの引用のようで、韓国は、いろいろな国とのFTAを締結し貿易依存度の高い国ならではの経済的メリットがあるほか、国内競争が刺激されて経済効率が高まり、国際政治上のプレゼンスが高まるなどの利点が意識されていると持ち上げている。
「韓国のこの経験は、国家存亡の危機に何とか活路を見出すべく必死の決意で大戦略を構想し、それを懸命の努力で一歩一歩実現してきた国家のリーダーシップの貴重な教訓を示している。」と大げさに持ち上げているが、とんでもない。IMFの指導のもとアメリカのグローバリズムを押し付けられただけである。アメリカとのFTAは、片務的なISD条項を盛り込んだ不平等条約である。日本は、こんなことは絶対にしてはならない。
「日本の近年の状況は、タイタニックのように巨船が静かに傾いて沈みつつある様相を呈している。20年近くもデフレが続くのは明らかに深刻な病状であり国際的な地位の低下は歴然としている。」と書き、すぐあとに「首相の政治生命が1年もないという国家の欠陥が政治制度のせいなら、政治制度を変えればよいではないか。」と。デフレの原因は、首相の政治生命が1年もないのが原因であるかのように書いている。デフレから脱出できないのは、政治が悪かったためであるが、経済学者がデフレ脱却の正しい処方を提案できなかったのも原因している。
コラムの後半を読むと、島田氏は、TPP締結→競争の激化→経済の成長と考えているようだが、とんでもない間違いである。インフレ期なら云えるが、デフレ期はこのようにはならない。
島田晴雄氏をWikipediaでみると、名の知れた経済学者のようだ。そして「小泉政権では内閣府特命顧問として構造改革を推進した。」と記してあった。TPPでデフレ脱却できると考えているような経済学者が政府顧問だと日本は良くならない。
それにしても、産経新聞は、TPP推進のために、このようないい加減なコラムを載せて恥ずかしくないだろうか。
14.「国土強靭化」で富国への道(2012/07/05)
昨日の産経新聞の「正論」に藤井聡京都大学教授の[「国土強靭化」で富国への道を歩め]というコラムが載っていた。これは、本当に正論だと思った。 まず出だしは、
「日本はかっての栄光など見る影もないほどに衰微してしまった。1990年代、国内総生産(GDP)は世界第2位、一人当たりGDPに至っては経済大国と呼ばれる国々の中でトップであった。だが、98年に、日本はデフレに突入してGDPで中国に追い披かれ、一人当たりのGDPも世界20位前後を低迷するまでに馮落した。」
である。我々日本人は、これを認識しないといけない。この凋落の原因は、20年に及ぶでデフレである。対策は、「カギは欧米並みの財政出動に」と言って財政出場を唱えている。
大規模な財政出動により大地震復興と巨大地震対策を行えば、「国中の仕事総量」が増え、デフレ脱却と経済成長も可能になり財政も健全化すると説いている。この通りだと思う。6/30に取り上げた島田晴雄氏のコラム比較すると月とスッポンである。
15. 4回目、伊藤元重教授のコラム(2012/07/07)
今日の産経新聞の一面に例のどうしようもない教授の「国債利回り安定…でも安全?」というコラムが載っていた。読んでみると、この先生、本当に大学の経済学の先生だろうかと疑問に思ってしまう。海外の有名な経済学者の報告を勉強し、それを学生に教えているだけで、実際の経済については、何もわかっていないのではないかと思った。 日本の国債の金利が低いことに対して「イタリアやスペインの国債の多くは外国の金融機関が保有しているが、日本の国債はその大半が国内の貯蓄資金によって支えられている。だから日本は大丈夫だ、という怪しい議論が横行している。」と「怪しい議論」と言っておきながら、この後、みずからも怪しい議論を展開している。
「家計部門の貯蓄率が下がっているのには理由がある。高齢化が進んでいるからだ。人口に占める高齢者の割合が増えるほど、家計全体でみた貯蓄率はさがってしまうのだ。」と書いているが、これは彼の分析結果ではなく、誰かの論を持ってきたものだろう。高齢化が原因というのはウソだ。デフレで景気が悪く可処分所得が減っているからだ。
「興味深いことに、家計の貯蓄率が下がるのを補うような形で、このところ企業の貯蓄が増えている。」このために「この企業の貯蓄が、家計の貯蓄の減少分を補っている。だから、国債を買い支える貯蓄資金が枯渇しないのだ。」とのたまうが、こんな言い方は、おかしい。デフレで企業は、借金は返すが、銀行から金を借りて投資はしないので、銀行には、金が余っている。金を遊ばせておくわけにはいかないので、金利が低くても国債を買っている。したがって、金利は安く抑えられているのだ。
「もし企業が積極的に投資を始めれば、国債購入に回る貯蓄資金は減ってしまう。設備投資、研究開発投資、海外投資、M&Aなど、投資の形はいろいろなものがありえる。これらの投資が活発になってくれば、企業貯蓄は国債購入に回らなくなるのだ。」と心配している。「バカか!」と言いたい。企業が積極的に投資を始めれば、こんな良いことはない。雇用が生まれ、景気が良くなる。景気がよくなれば、名目GDPが増加し税収が増え、赤字国債の発行を抑えることができ財政は改善されていく。国債の金利は、上がるのは当たり前である。上がったとしてもせいぜい1、2%である。スペインのように7%になるようなことはない。日本は、経常収支黒字国であり、国債は、100%円建てであるが、スペインは、経常収支は赤字で、国債はユーロ建てである。
「景気が低迷したまま国債市場が安定しているのか。それとも景気回復の兆しが見えると同時に国債の利回りが上がっていくのか。どちらに転んでも、日本経済には大変な状況だ。」とは、おかしな文章だ。「景気が低迷したまま国債市場が安定している」とは、デフレ続行でとんでもない状況だ。できるだけ早くデフレを脱却しなければない。「景気回復の兆しが見えると同時に国債の利回りが上がっていく」と悪いように書いているが、景気回復は、デフレ脱却へ進むので大歓迎である。景気が回復していけば、国債利回りは、上がっていくのは当たり前である。何も心配することはない。
「欧州で起きている財政危機は、多くの日本人にとって対岸の火事のように思われているかもしれない。しかし、いったん国債の利回りが上がり始めると、財政運営は非常に厳しいことになる、という教訓は学ぶべきだろう。」これも何を言っているのかよくわからない。どうやら、彼は、国債の利回りが上がるとは、5%以上あがると考えているようだ。でないとこんな文章にはならない。狂っているとしか思えない。
2012年7月29日修正:貯蓄率マイナスという言葉を間違って解釈していたので、これに関連する見解を削除した。
16. 桜井よしこ氏、もういらない。(2012/07/16)
少し前であるが、7月12日の産経新聞に桜井よしこ氏の「野田首相に申す」というコラムが載った。彼女は、保守派に分類される評論家で彼女の言論には、賛同するところが多かったが、読んでみて驚嘆した。 尖閣諸島と集団的自衛権、TPP、増税、エネルギー政策について書いているが、TPPと増税がとんでもない内容だ。
まずは、TPPについては次のように記している。
「もう一つの課題は、環太平洋戦路的経済連携協定(TPP)への参加である。TPPは経済の枠組みを超えた根源的な次元に立つ戦略である。それは日本が依拠してきた価値観、多くの国々が多少の留保はあっても基本的に公正だと認めてきた価値観を担保し、諸国の閉鎖性を緩やかに解き、国を開いていく力となる。」
彼女は、TPPに賛成のようだが、この抽象的な文章は何だろう。何を言っているのかよくわからない。TPPは、「日本が依拠してきた価値観を担保する」というがとんでもない。TPPは、日本の伝統を破壊し国のあり方を変えてしまう。彼女は、TPPについて何もわかっていないようだ。わかっていない人は、上記のような抽象的な文章でごまかすのが恒である。
次は、今回の増税である。これについては、次のように述べている。
「国家にとって経済基盤の安定と強化はまさに生命線である。日本の膨大な財政赤字を考えれば消費税増税の首相の決断を評価する。小沢氏らの離党の直接のきっかけとなったこの増税は、良識ある人々なら誰もが必要だと考えていることの一つである。1000兆円規模の財政赤字は若い世代にツケとして回される。若ければ若いほど負担は大きい。とりわけこれから生まれる子供たち、〈将来世代〉がその一生で引き受けなければならない純負担は一人当たり1億500万円に上る。
この数字は内開府の経済社会総合研究所の分析結果だ。生まれながらに億単位の借金を子供や孫ら未来の日本人に背負わせるような財政状況では日本の繁栄など到底覚束ない。第一、将来世代の子供たちが気の毒だ。増税はどの時代においても不人気だ。ボピュリズムに堕ちた政治家には到底、言い出せない増税を首相は兎にも角にも決断した。」
これは、巷の間違った俗論を述べただけだ。いつまでもこんな俗論にしがみ付いている評論家はいらない。「この増税は、良識ある人々なら誰もが必要だと考えていることの一つである。」とは、とんでもない。彼女がそう思っているだけだ。増税すれば、財政赤字が解消すると考えているようだが、日本は、デフレであり、デフレのときに増税すれば、税収はかえって減少する。
「純負担は一人当たり1億500万円に上る。」は、過去産経新聞などがよくこういう表現をしていた。1000兆円は、国民が借金しているのではない。政府が借金しているのである。国民は、政府に金を貸しているのだ。
増税で財政再建など絶対にできない。対策は、まず、デフレを脱却して経済を成長路線に乗せることである。そうすれば、名目GDPが増え税収が増え、政府の負債の比率が低下していく。日本は、ほゞ20年間、GDPが増えていない。世界中で日本だけである。
今、政府がやらねばならないことは、デフレを脱却しGDPを成長路線に乗せることである。桜井よしこ氏のような評論家はいらない。
17. 田村秀男氏の消費税増税批判2(2012/07/29)
今日の産経新聞の「日曜経済講座」として田村秀男氏の「英の付加価値増税 失敗の教訓」と題した記事が載っていた。英国は、2011年1月から付加価値税の増税を行ったが、英経済は失速を速めているという。この失敗を教訓に日本がなすべきことを書いている。 「その一、景気下降局面での増税は絶対に避ける。
そのニ、増税という財政面でブレーキをかけたまま、金融というアクセルをふかしても、実体景気という車体は前に進まない恐れがある。
野田首相や谷垣禎一自民党総裁らはこの際、きちんと英経済を直視し、増税よりも脱デフレ、成長を優先する政策の王道に立ち返るべきだ。」
然りだと思う。
【8月7日追記】
この記事について、三橋貴明氏がブログで取り上げていました。以下に転記しておきます。
「田村先生の仰ることは、まことにその通りです。現在の「社会保障・税一体改革関連法案」では、来年の内閣の顔ぶれ次第で、2014年に「デフレ下の増税」という狂気の政策が実行される可能性があります。
前にも書きましたが、「名目3%程度、実質2%」は努力目標ではなく、「最低条件」にするべきでしょう。
イングランド銀行は、日本銀行と比べてはるかにまともで、それなりの金融政策(デフレ対策の「通貨を発行し、借りて、使え」の「通貨を発行し」の部分)をやっています。少なくとも、イギリスの物価上昇率はマイナスには落ち込んでいません。
それでも、イギリスの景気はマイナス成長になってしまっており、ちょうど小泉政権期の量的緩和期と似た状況になっているようです。あの時は、アメリカの不動産バブルにより輸出と設備投資が伸びたため、日本は一時的にデフレから脱却することに(瞬間的でしたが)成功しましたが、現在は「需要の牽引者」が世界中に誰もいない状況です。各国の政府は「通貨を発行し、借りて、使え」を一気通貫で実施しなければ、国民経済が現在の苦境を脱することはできません。
緊縮財政というブレーキを踏みつつ、金融政策でアクセルを踏み込んでも、デフレ脱却は果たせないのです。イギリスのキャメロン政権は、まさしく日本の犯したミスをそのまま踏襲しています。」
18. また、例の伊藤教授のコラム5(2012/08/07)
8月4日の産経新聞に例の伊藤教授のコラムが載った。今回は、「五輪支える企業の技術力」という表題である。読んだ感想は、これが東大の経済学の教授の文章かと思った。 最後の16行までは、テレビや新聞でよく報道されていることを記しただけで目新しいものは何もない。
「オリンピックに出場するまでに選手は大変な努力をしている。そうした姿がもっと報道されてもよいと思うのは私だけではないだろうか。」なんて書いているが、かなり報道されていると思うが、テレビや新聞はあまり見ていないのだろうか。
最後の15行は、欧州の経済危機について書いているが、何ともお粗末である。「ロンドンオリンピックを転機に、欧州経済の復活の道を歩み始めてほしい。」と最後に願望を書いているが、ズブの素人がこういう願望を述べるのはよいが、筆者は、経済学の教授である。欧州経済の問題点を何も把握していなのだろうか。
7月29日に田村秀男氏のコラムを載せたが、彼は、ロンドンオリンピックに関連し英国経済を分析し問題点を明らかにし日本への教訓を述べている。この文章と読み比べてみると伊藤教授の文章が如何に劣るか明らかである。
19. 維新の会の本質(2012/09/06)
一ヶ月が経つのは早いもので、広告が表示されるようになったので、記事を書くことにした。
維新の会が八策をリリースしたが、経済政策を見るととんでもない内容であることがわかった。
規制緩和、競争力強化、既得権益の打破、自由貿易、グローバリズム、TPP参加などインフレ対策のオンパレードだ。これをまともにやられたらデフレが益々深刻化し国力が低下する。今の民主党より更に悪くなるだろう。こういう連中を絶対に国会へやってはいけない。
20.伝統の破壊者を排除しよう(2012/09/07)
2012年9月7日の産経新聞を見たら、一面に哲学者の適菜収氏のコラムが載っていた。 竹島の領土問題に対して、そもそも領土以前にもっと大切なものが失われているのではないかと問題を提起し論を進めている。昨日、維新の会の本質について書いたが、橋下徹市長が文楽の伝統を破壊しようとしてると述べている。そして、最後に「日本人が日本人であることの誇りを失わない限り国が滅びることはない。しかし伝統の破壊者に対し日本人が拍手喝采を送るようになったとき国家は内部から崩壊する」と結んでいる。然りと思う。
私は、日本人として生まれ誇りに思っており、日本の伝統をきちっと守っていくつもりである。伝統の破壊者は、左翼であり、朝日新聞などは典型である。こういう新聞は購読しないよう活動していかなければならい。橋下徹氏は、保守的な発言もあるが、基本的に左翼であり、国会に出してはならない。
21. 例の伊藤教授のコラム(2012/09/08)
今日の産経新聞の一面に例の伊藤教授のコラムが載っていた。読んでみたが、相変わらず何の役にもたたない文章である。
この先生は、欧州危機の本質を理解しているのだろうか。「ユーロの導入で通貨の統合は進めたが、財政制度や金融制度での統合が中途半端であったことが、今回の危機の重要な原因である。ブリュッセルの専門家はそう言っている。」と第三者を決め込んでいる。そして読んだだけでは理解できない金融の統合の強化について書き、最後に「重要なことは、そうした危機を受けて欧州の政治や経済の世界でどのような改革の論議が始まっているのかに注目しなくてはならない。」と結んでいる。そもそも通貨統合は、本質的に間違っている。間違ったものの改革論議などに注目しても何の益もない。結果を知れば十分である。
7月15日の産経新聞の日曜経済講座にニューヨーク駐在編集委員の松浦肇氏の「詐欺商法だったユーロ通貨統合」という記事が載っていた。
このコラムの結論は、「ユーロの維持には、参加国全体の債務の共有化・財政統合が不可欠なのだ。」と結んでいるが、ナショナリズムを共有できない国々が、債務の共有化・財政統合などできるはずがない。
22. 朝日新聞を廃刊へ(2012/0/25)
少し古いが、9月9日(日)の産経新聞に小川榮太郎著の『約束の日 安倍晋三試論』に対する阿比留瑠比氏の書評が載っていた。 私は、産経新聞を購読しているので、朝日新聞の安倍叩きについては知らなかったが、この書評を読んで、朝日め!と唸った。朝日新聞は、安倍叩きは『社是』であるという。とんでもない新聞である。書評も「特定の政治家を叩き、おとしめることが社是である新聞社とはどんな存在だろうか。それは、むしろ政治的意図をあらわにしたプロパガンダ機関というべきだが、社論を決定する地位にある人物がこう述べたというから驚く。」と書いているが全くその通りである。
子どもの頃、家で朝日新聞を購読していたので、結婚して一家を構えてからも朝日新聞を購読していたが、約30年前、朝日新聞の報道姿勢に我慢がならず、産経新聞に乗り換えた。
朝日新聞の偏向報道には枚挙に暇がない。いい加減な資料で従軍慰安婦を取り上げ、韓国がそれに乗って従軍慰安婦を問題化しているのは、朝日新聞の責任である。
朝日新聞を、ときどきは読むが、朝日新聞は、日本や日本人がきらいなようで、日本が進歩発展することが面白くないようだ。ソ連崩壊前の左翼思想を引きずっており、福島瑞穂の社民党の機関紙ではないかと思ってしまう。
こんな反日新聞は、何としても廃刊へ持ち込まなくてはならない。
23. 日銀は、日本を潰すきか(2012/09/28)
上念司さんの本を読んだり動画を見たりすると日銀のミスジャッジがよくわかるが、昨日(9/27)の産経新聞1面に田村秀男氏の[超円高の元凶「小出し緩和」]というコラムが載っていた。
FRBやECBは、量的緩和を積極的に行っているが、日銀がこれに対抗しないと円不足になり円高になるのは当たり前である。
下の図は、三橋貴明氏のブログから転載したものであるが、ひと目見て、日銀が如何に消極的か一目瞭然である。
日銀は、なぜ、積極的にやらないだろうか。日銀は、「円の信認」という言葉をよく使うが、円高は、日銀の使命だと思っているのだろうか。それとも、日本を滅亡させようと考えているだろうか。いや、白川総裁は、学校の成績はよかったかもしれないが、世間常識を全く理解できない人ではないだろうか。
2012/08/08の三橋貴明氏のブログの中に下記の記事が載っていた。
『日本銀行の白川総裁は、
「人々は将来の財政状況への不安から支出を抑制し、そのことが低成長と緩やかなデフレの一因になっていると考えられる」(2012年4月21日 フランス銀行「Financial Stability Review」公表イベント(米国ワシントンDC)における講演にて)』
「人々は将来の財政状況への不安から支出を抑制」とは、とんでもない認識だ。国民は、支出するとき政府の財政赤字なんか考えていない。本当にバカかと言いたくなる。
自民党総裁になった安部晋三氏は、総裁選で『日銀とのアコード(協調)、インフレ目標3%』を訴えているので、首相になったら積極的に是正に動きだし、日銀が対応しないときは、日銀法を改正して是正するでしょう。安部晋三氏の活躍を大いに期待する。
24.「尖閣」を守ろう(2012/10/02)
今日(10/2)の産経新聞の1面に、古森義久氏のワシントンからの報告として、米軍事専門家リチャード・フィッシャー氏の「尖閣」に対する見方が載っていた。
以下に抜粋する。
「中国側の当面の戦術については「実際の軍事衝突なしに中国内部での反日打動や外交上の激しい言葉という威嚇により、日本側に尖閣領有権を放棄させることが目的だ」と述べた。
一方、日本の対応については「日本は防衛面でも強固な態勢を保たねばならない。中国の威嚇に動揺し、譲歩をすれば、さらなる攻勢や侵略を招くだけだ」と指摘。」
米軍事専門家は、中国の狙いは日本の領有権の放棄であり、日本が譲歩すれば、さらなる侵略を招くことになると言っている。然りである。
そのうちに朝日などの左翼新聞が、経済的ダメージを恐れて中国にくれたやれなどと言い出すかもしれない。国民は、こんな安易な考えに絶対に乗ってはいけない。憲法を改正し、軍備を増強してがっちり守らなければならない。こういうと左翼新聞は、すぐに「軍国主義の復活」などと言って騒ぐが、軍事力で負けたら平和は維持できない。
25. 日本の最大リスクは日本人自身だ(2012/10/03)
今日(10/3)の三橋貴明氏のブログを見たら「正論」11月号に掲載された中野剛志氏の論文が載っていた。「正論」は、購読しているので、一通り目を通したつもりだったが、見逃していたようだ。中野氏の記事は、「1.日本のリスクを想定する」「2.最大のリスク」で構成されているが、三橋氏は、2.を掲載している。この記事は、非常に有意義なので、三橋氏のブログを見ていない人のために、このブログにも載せておく。読んでいただきたい。
『日本の最大リスクは日本人自身だ (評論家 中野剛志)
想定される巨大な危険から国民を守るために必要な国債の発行を惜しむ政府こそ、日本にとって最大のリスクなのだ
1.日本のリスクを想定する(省略)
2.最大のリスク
このように、日本は、これまでであれば想定外であるはずの巨大なリスクに現実にさらされているのであり、したがって、従来の方針を大きく変更し、新たな国家戦略を構築して、早急に対応を図らなければならない局面にある。その新たな国家戦略については、編集部より与えられた紙幅が限界に来たので、詳細に論じることができないが、少なくとも言えることは、政府は、これらのリスクから国民を守るために、財政出動を惜しんではならないということである。
日本が財政危機にあるという議論は、根本的な間違いであることは、拙著『レジーム・チェンジ:恐慌を突破する逆転の発想』(NHK新書)で詳細に論じたので、ここでは繰り返さない。ただ、強調しておかなければならないのは、侵略から自国を防衛するために戦時国債の発行をためらうことがあり得ないのと同様に、想定される巨大な危機から国民を守るために必要な国債の発行を惜しんではならないということだ。政府の任務は、あくまで国民経済の健全化であって、財政の健全化ではない。より率直に言えば、今の日本には、財政赤字を心配しているような余裕はない。
むしろ、地政学的変動、気候変動そして地殻変動から我が国の安全を守るため、防衛、防災、食糧、エネルギー関連の公共投資や公的技術開発投資を大幅に拡大すべきである。この経済安全保障の強化を目的としたニューディール政策的な財政出動によって、内需を拡大し、需給ギャップを埋める。その結果、デフレから脱却できれば、民間のリスク対策の投資も拡大し、経済安全保障はさらに万全のものとなる。デフレからの脱却と経済安全保障の確保によって、日本経済の力強い成長が実現し、税収の増加を通じた財政収支の改善をもたらす。筑波大学名誉教授の宍戸駿太郎氏は、精緻な経済モデルによって、十年間で250兆円の公共投資を行うことで、GDPを900兆円近くまで成長させ、対GDP比の累積政府債務残高を低下させることができることを示している。こうしてもたらされた内需の拡大は、来るべき世界的な経済危機に対する備えとなる。これこそが、現在、緊急に求められる国家戦略の骨格である。
逆に、もし、現在のような長期のデフレ不況に苦しむ中で、何の対策も講じないまま、世界金融危機、中東有事による石油危機、あるいは南海トラフ巨大地震が勃発することとなったらどうなるのであろうか。日本経済は壊滅的な打撃を受け、後世に恥ずべき大きな負の遺産を残すことになるであろうことは、想像に難くないはずだ。
ところが、これだけ多くの巨大なリスクがいくつも顕在化しているというのに、これらを想定した戦略の転換に関する議論が、国内でほとんど行われていない。それどころか、相も変わらずアジアの成長に期待したり、財政赤字を心配したり、国会議員の定数削減や道州制などという全く無関係な議論にうつつを抜かしたりしている。未曽有の大震災や原発事故を経験してもなお、このような鈍感さと無為無策ぶりを示すことになるとは、筆者には、それこそ想定外であった。日本が直面している最大のリスクは、ほかでもない、日本人自身なのである。本稿は、筆者個人の見解である。』
強調の太字・カラーは、三橋氏のブログに合わせた。
26. 権力の一元化は地獄を生み出す(2012/10/05)
今日(10/5)の産経新聞1面に哲学者適菜収氏の「権力は腐敗する」というコラムが載っていた。読んでみると実に深く考えさせられる内容であった。
きちっと纏められた文章なので、重要なところを赤線を引こうとすると、ほとんど全部赤線になってしまいそうである。例の東大の伊藤元重教授の文章とは雲泥の差である。
『権力の一元化は地獄を生み出す。これが人類が歴史から学んだことである。』とし『権力は分散されるべきである。発生した経緯や時期は異なるものの、三権分立や二院制は、民意を背景にした議会の暴走を抑えるために歴史的に整えられてきた制度である。』と。
日本は、二院制でよかったと思う。現在、衆議院は、民主党が過半数を占めているが、参議院は、過半数をとっていない。もし、一院制だったら、民主党は、外国人への地方参政権付与、人権侵害救済法案、夫婦別姓などとんでもない法案をどんどん通し日本を無茶苦茶にしたのではないかと思うとぞーとする。
そして、『民主党は一時、政府・与党一元化、議員立法の原則禁止、陳情窓口の幹事長室への一元化などの政策により、権力の集中を目論んでいた。前総理の菅直人氏は著書『大臣』で、「民主主義というのは『交代可能な独裁』だと考えている」と述べている。もちろん違う。選挙は党に全権を委任するものではない。第一党がやりたい放題できるなら、議会は必要ない。そこで求められるのは熟議である。』と、民主党を痛烈に批判している。
管直人氏は、典型的に左翼人種で、共産主義の開発独裁・民主集中の考えがこびりついているのだろう。こんな人間を総理大臣にしたということは実に残念である。
この後、『こうした政治に対する無知、民主党的腐敗の成れの果てが、橋下徹大阪市長率いる日本維新の会だろう。橋下氏の政治手法は菅氏に酷似している。』と。『彼らは首相公選制や衆院定数半減、参議院の解体を唱え、議院内閣制に公然と攻撃を仕掛けてきた。チェック機能が働かなければ、独裁政権の暴走を許すことになる。』と橋本氏を批判している。
適菜氏に云われてみるとその通りである。9/6のブログで「維新の会の本質」として、経済面について書いたが、政治システムの破壊は、断固として許してはならない。政治、経済両面から維新の会を国会へ出してはならない。
27. Windows 8は、Vistaの二の舞になる(2012/10/07)
日経パソコンの10月8日号に「Windows 8 完全ガイド」という特集が30頁に渡って載っていたので読んでみた。
スタート画面を下に示す。
Windows 8は、ユーザーインターフェースが大幅に変わりタッチパネル操作が基本のようである。マウスとキーボードを使った従来の操作と大幅に異なるため、操作は、一から出直しになる。とても、使う気になれないので、途中で読むのを止めた。
世間のWindows 8の評判はどうだろうかと思って、「windows8 評判」で検索したところ、評判が悪いという記事が続々と出て来た。Windows 8の発売は、10月26日でまだ先であるが、すでに、「Windows8はなぜ失敗したか」という記事もあった。どうやら、Vistaの二の舞になりそうだ。
今、販売店は、Windows 7のパソコンを売り切ろうと値下げしている。Windows 8のパソコンが出れば、Windows 7は買えなくなるので、今が購入のチャンスである。
と書いたが、メーカは、Windows 8パソコンの販売不振を予測してWindows 7パソコンも継続販売するかもしれない。
28. これで大学教授か(2012/10/10)
昨日の産経新聞の「正論」欄に政策研究大学院の太田弘子教授の「規制改革で成長のタネ育てよう」というコラムが載っていた。読んでみて驚いた。規制改革だと言ってだらだら書いてあるだけでまともなものは、一つもない。
まず冒頭に「イノベーションカを強化し、新産業・新市場を生み出す規制・制度改革を追求するとともに、…我が国が直面する課題を解決することで新たな成長産業の創出を図る」と述べ、「7月末日に閣議決定された『日本再生戦略』のくだりだが」と書いている。そこで、『日本再生戦略』をネットで探し目を通すと、全67頁中の24頁にある「@環境の変化に対応した新産業・新市場の創出」19行の文章の中ほどを抜き出しただけである。この後「日本経済のなすべき重要なことがこの一文に凝縮されている。」と書いているので、自分の主張したいところだけを抜き出したようだ。そして、「今、日本が直面する課題、すなわち高齢化、グローバル化の遅れ、電力危機こそが新たな成長のタネになる」と書いているが、本当だろうか。
「高齢化、グローバル化の遅れ、電力危機」が、なぜ、新たな成長のタネになるのだろうか。成長とは、GDPが増えることである。GDPが増えなかったら成長とは言わない。高齢者へのビジネスでGDPが画期的に増えるだろうか。高齢者が増えれば、その分だけ高齢化ビジネスのGDPが増えるだけである。そもそも高齢者が十分な介護を受けるためには、所得が必要である。この所得をどうやって増やすつもりなのだろか。「高齢化をビジネスチャンスにつなげるには、介護サービスの生産性を高め、利用者のニーズに応える多様なサービスが生まれる環境をつくる必要がある。そのためには、社会福祉法人のあり方を見直し、同法人と民間企業とが同じ土俵で、利用者の立場に立って競争できるようにすべきである。」と説明しているが、これでGDPが増えるだろうか。競争が激化すれば、単価が下がりGDPは下がるのではないか。全く理解できない。民主党も同じようなことを言っていたが、三橋貴明氏は、ブログで介護ビジネスでGDPを増やすには、被介護者を増やすか介護費用を上げるしかないと揶揄していた。そのとおりだと思う。
電力危機が、なぜ、成長のタネになるもかわからない。風力とか太陽光などの規制を緩和してもGDPが増えるわけではない。ただし、販売価格を上げれば、その分GDPは増えるが、電気料金も上昇して産業や国民の生活に悪影響を与える。そもそも電力は、あたりまえであるが、使用量以上に増やせるものではない。
次は、グローバル化の遅れ。TPPや日中韓FTA(自由貿易協定)の推進でどうしてGDPが増えるかわからい。彼女は、TPP推進論者である。彼女のTPP推進の動画を見たことがあるが、抽象論のみで具体的な利点などの説明は一切なかった。TPPの本質を理解していないと思った。
TPPをやると10年間で2.7兆円、つまり1年間にわずか2700億円のGDP増という試算があるようだが、これはゼロと言っていいような数値だ。厳密に試算すればマイナスになるのではないだろうか。TPPをやれば、アメリカのグローバル資本に収奪されるだけである。TPPは、絶対にやってはならない。
「六次産業化で農業に競争力」と言っているが、田植えをする農業は、飛行機で種を蒔く農業にどのようにして対抗するか説明してほしいものだ。六次産業化でできると考えているのだろうか。まさか。
最後の方で規制改革とうるさく言っているが、彼女は、新自由主義経済学にマインドコントロールされているようだ。規制緩和して競争を煽れば、インフレ期なら効果があるかもしれないが、デフレの今の日本で実施したらデフレが進行しGDPが下がり国民が貧乏になるだけである。
太田弘子教授は、本当に経済学者なのだろうか。成長とは、GDPが増えることであるが、失礼ながら、これがわかっていないような気がする。
それにしても産経新聞は、どうしてこんなコラムを載せるのだろうか。はずかしくはないのだろうか。
29. 安倍晋三総裁を応援します(2012/10/11)
安倍晋三氏が自民党総裁に選出されました。大歓迎です。5人の候補者のうち、安倍晋三氏の訴えがもっとも具体的でしっかりしたものでした。次期首相になって活躍されることを期待します。
三橋貴明氏は、安倍氏の演説を良く聞き9月27日のブログにまとめていますので、これを引用します。
- 憲法改正(まずは改正条項の改正から)
- 拉致問題の解決
- 集団的自衛権の行使容認と対米外交の立て直し
- 河野談話の見直し
- 領土領海の防備強化
- 東北の復興にリソース集中
- 消費税増税「前」のデフレ脱却
- 日銀とのアコード(協調)、インフレ目標3%
- 子供たちの安全と生命を守る投資、地域経済活性化のための、未来への投資となる公共投資の実施
- スーパーコンピューター京に代表される創造的活動、イノベーションへの政府支援
「消費税増税「前」のデフレ脱却」「日銀とのアコード(協調)、インフレ目標3%」「子供たちの安全と生命を守る投資、地域経済活性化のための、未来への投資となる公共投資の実施」と言っているので、インフレ脱却を強力に推進してくれると思います。
問題は、朝日新聞を筆頭に左翼新聞の「安倍叩き」です。すでに3500円のカツカレーを食べたというばかばかしいことで騒いだのは、日刊スポーツです。日刊スポーツは、朝日新聞の傘下にあり、朝日新聞が書かせたのではないかと憶測してします。「安倍叩き」を徹底的に抑え込まなくてはなりません。一番効果的な行動は、購読中止か他の新聞への乗り換えです。ご協力をお願いします。
30. 財政健全化しか頭にない産経の客員論説委員(2012/10/14)
今日の産経新聞の「日曜経済講座」に岩崎慶市氏の記事が載っていた。読んでみてがっかりした。彼の頭の中は、財政健全化のためには歳出削減か増税しかないようだ。田村秀男氏ならこんな記事は書かないだろう。今、日本経済の一番の問題点は、デフレであることである。このデフレは、10年以上続いている。これについて何も書いていない。バカかと言いたい。
彼の頭の中は、財政健全化しかないので、題名が「歳出改革に再挑戦を」となっている。
「「骨太06」が完全消滅したのは、その後の世界同時不況に対応したためだが、安倍政権が「上げ潮」路線を走らず、消費税引き上げなどを堅実に実行しておけば、現在のような財政状況にはなっていなかったろう。当時は景気回復局面にあり、それは十分可能だったのだ。」と書いているがとんでもない。もし増税していたら税収はかえって減ったはずだ。橋本政権のとき、消費税を上げ、公共事業を削ったらトータル税収は、4兆円も減った。これを知らないだろうか。彼は、増税さえすれば、税収が増加すると単純に考えている。
「第2段階の目標である20年度の基礎的財政収支黒字化に至っては、さらに消費税換算で6%分近くの財源が不足する。これを歳出削減だけで確保するのは不可能だから、再び増税を伴う歳出・歳入一体改革で対応せざるを得まい。増税幅は歳出削減次第となるわけで、いまから明確な削減手法を確立しておく必要がある。」とまたまた増税提案だ。本当にバカかと言いたい。デフレから脱却し、経済を成長路線に乗せ、名目GDPを増やし税収を増やすことをなぜ考えないのだろうか。
安部総裁は、総裁選挙のとき、『消費税増税「前」のデフレ脱却』と言っており、デフレのときの増税は考えていない。もし、次に安部政権が誕生したときは、平成25年10月の消費税増税は、施行されないと思う。
最後に「TPP反対はなぜ」として書いているが、彼は、TPPを理解しているだろうか。EPAは、「聖域なき関税撤廃」ではない。TPPは、24品目について「聖域なき関税撤廃」であり、しかもネガティブリストである。TPPを結んだらアメリカのグローバス資本に搾取されるだけである。安部総裁は、その辺をよく御存じなので、「聖域なき関税撤廃反対」と言っていると思う。
また、「TPPは中国が参加せず米国が中心的役割を果たす。日米基軸で中国を牽制する形の安倍外交そのものだろう。」と書いているが、とんでもない。TPPは、安全保障上必要だと言いたいようだが、間違いである。TPPは、安全保障の役割など一切ない。桜井よし子氏も盛んに安全保障上重要なので、TPPは推進すべしと言っているが、とんでもない誤りである。なぜ、こんなふうに考えるのか理解に苦しむ。
安倍総裁は、TPPが安全保障上必要などとは全く考えていないと思う。
31.「原発ゼロ」は愚の骨頂(2012/10/18)
今日(10/18)の産経新聞の「正論」に『「原発ゼロ」が如何に愚の骨頂か』と題して吉崎達彦氏のコラムが載っていた。 私は、「原発ゼロ」は、絶対にやってはいけないと思っていたが、このコラムは、「原発ゼロ」がいかに愚の骨頂かわかり易く要領よく説明してあった。
「日本が「原発ゼロ」を方針とする場合、どんな付帯条件がつくか、を考えなけれぱならない。
原子力を学ぼうとする学生は減るだろうから、将来の人材確保に困るかもしれない。東芝や日立や三菱重工などの原子力産業が、ビジネスから撤退するかもしれない。その場合、福島の廃炉は誰が行うのか。そして、除染や補償はどうするのか。「原発ゼロ」を決めたとしても、原発事故の後始末は数十年がかりで取り組む必要があるのだ。」
そして、経済、外交、安保に大打撃として、
「日本が本当に「原発ゼロ」へと突き進んで行ったら、海外はどのように反応するか、ということも考えなけれはならない。
アメリカの知日派人脈が8月に発表した第3次アーミテージ=ナイ報告書は、エネルギー問題に多くの記述を割き、日本は原子力から撤退すべきではないと論じている。現実問題として、日本が「原発ゼロ」を目旨す場合、核不拡散の観点から、日本にはもう再処理を認めるべきではないということになろう。また、ドイツやスイスが原子力から撤退する中で、先進7カ国(G7)の中で誰が原子カピジネスを支えていくのか、という問題もある。
さらには、日本のような経済大国が、火力発電を焚き増すために化石燃料の輸入を増やせぱ、国際的なエネルギー価格は高まりするだろう。日本も貿易収支の悪化に悩まされているが、さらに困るのは外貨の乏しい途上国ということになる。
ホンネでは日本に天然ガスを売りたくて仕方がないロシアなども、この機会に値段を吊り上げようとしてくるだろう。つまり日本側の足元を見てくるはずである。だとしたら、「原発ゼロ」を内外に宣言するのは愚の骨頂でないか。
あるいは、日本の国力低下は免れないと見た場合、中韓両国、わけても中国は、ますます領土や歴史問題で強硬な姿勢に出てくるかもしれない日本恐るるに足らずと見られたら、失われるものはあまりにも大きい。」
「原発ゼロ」は、民意だと言って騒いでいる評論家や政治家がいるが、「原発ゼロ」が将来どんな結果をもらたすか考えたことがあるだろうか。それとも、どこかの国から金をもらい日本の国力を衰退など考えないで自分の派閥を拡大しようと考えているのだろうか。