<embed> はNetscape Navigator(1) 独自の要素で、HTML4.01の仕様には取り入れられていませんでしたが、Internet Explorerに実装されたため、広く利用されています。
HTML5では、<embed>は、標準採用になりました。
<embed> は embedding(埋めこみ)の略です。動画(*.mpg, *.mov)、Flash(*.swf)、音声(*.wav, *.aif, *.au, *.mid, *.ra)などを埋め込む際に用いられます。src属性で指定ファイルを読み込み、ブラウザに追加インストールされたプラグインでデータを再生します。
<embed> は、プラグインが必要なため以外に使い難いです。今後は、HTML5で新たに追加されたプラグイン不要の<audio>と<video>を使うことになるので、<embed> は、簡単に説明しておきます。
注(1) Netscape Navigator は、ネットスケープコミュニケーションズ社が開発したウェブブラウザです。最初のリリースは、1994年でシェアウエアでした。性能がよかったので、私は、5,000円で購入しました。一方、Microsoftは、windows 95からInternet Explorerを搭載しましたが、当初は、HDD内のデータが消滅するなどのトラブルがありましたが、無料なものですから、こちらが優勢となり、Netscape Navigator は、1998年には無償化するもいろいろなトラブルもありシェアが低下し2001年には、日本法人は解散しました。
(1) HTML5での属性を下表に示します。
src="url" | データのurlを指定する |
type="" | MIMEタイプを指定する |
width="n" | 幅を指定する |
height="n" | 高さを指定する |
hidden | 画面を隠す、指定法は、 hidden hidden="hidden" hidden="" |
従来から使われている autostart、loop、repeat なども使用できます。
(2) 「春よ来い」のMIDIを鳴らしてみましょう。HTMLを下記のように記述します。
<p>春よ来い</p>
<embed src="haruyokoi.mid">
ココをクリックしてMIDIを聞いてください。ただし、firefoxやchromeでは、QuickTime がインストールされていないと鳴りません。
(注:パソコン内では、どのブラウザでも QuickTime が立ち上がって鳴っていましたが、サーバにアップロードしたら、chrome、opera で鳴りません。いろいろ調べましたがわかりません。兎に角、プラグインの必要なものは複雑です。2015/1/7)
MIDIは、どのブラウザでもサポートしているとは限らないようなので、mp3にしてみました。ココをクリックするとmp3ファイルが鳴ります。MIDIファイルをiTunesでmp3に変換しました。MIDIファイルは、わずか3kBですが、mp3にすると582kBになりました。MIDIは、単なる楽譜ですから小さです。mp3にすると4つのブラウザで鳴りましたが、不思議なことに IE11 と firefox では、QuickTime が鳴らしてくれましたが、chrome と opera は、windows media player が鳴らしてくれました。ブラウザによりいろいろ異なります。この辺でやめておきます。
(3) バックミュージックとして流す場合は、プレヤー画像は、不要ですから、hiddenを使って画像を隠したいところですが、hiddenを使うとfirefoxでは鳴りません。ブラウザによって違うので厄介です。そこでfirefoxでも鳴るようにするには、下のように width="1" height="1" を指定します。ただし、chrome と opera では、上に記したように鳴りません。
<embed src="haruyokoi.mid" width="1" height="1">
MIDIファイルは、ファイルサイズが小さいので扱い易いですが、プラグインが必要なので、誰にでも聞いてもらうわけにはいきません。今後は、下で説明する<audio>を使うと簡単ですが、残念ながらMIDIファイルは使えません。使えるのは、mp3ファイルです。
(4) 動画も埋め込むことができますが、説明しても使うことはなので、省略します。